こんにちは。仕事は接客業、趣味はランニングと読書の貫洞沙織です。
わたしは友達が少ない。これは事実。だけどこんなわたしにも、友達がたくさん…というか人気者だった頃があったのだよ。
今日はその頃のことを書いてみます。
■お尻踊りのさおりちゃん
福岡のとある幼稚園に、さおりちゃん(わたし)はいました。
さおりちゃんはひとつのおもちゃにすぐ飽きるし、先生のいうこともあまり聞かないけど、底抜けに性格が明るかったので人気者でした。特に、何をしていてもすぐ飽きて「お尻踊り」を始めるのが人気の秘訣でした。
みんなが何をしていてもお構いなし、スックと立ち上がり、みんなに見える前に歩み出て、女子がはくブルマをパンツごと一気に下げおろし、お尻をみんなの方に突き出して「おっしり~、おっしりぃ~」と独特の抑揚をつけてお尻を揺らす。声の出し方とお尻の揺らし方が絶妙だったのか、クラスのみんなは大爆笑。さおりちゃんはまた次のお尻踊りにそなえて大切なお尻をブルマにおさめて満足げに笑った。
■さおりちゃんは体操座りが苦手
そんなさおりちゃんにも苦手なことがありました。それは「体操座り」。
さおりちゃんの大腸、直腸、肛門の形にとって「体操座り」はオナラ誘発の形でした。月に一度ある集会の日、みんなで集まって「体操座り」をし、しかも詰め詰めで座らされるとき、さおりちゃんはいつもオナラをがまんすることしか頭になかったのです。
「う…うーん…」
その日も、小さな菊門にギュ…と力をこめてオナラを我慢していたのだけど、なんだか変な感じがしました。オナラが出そうなときより、なんていうかおなかが重いのです。
「ものすごく大きなオナラが出ちゃうんじゃないか」とさおりちゃんは恐れました。周りの数人だけでなく、全園児にオナラの音を聞かれてしまう…幼稚園児のさおりちゃんにとって、オナラが原因で園を変われることなど想像もつきません。今あるこの世界で生きていくためには、オナラをがまんしなければならないのです。
「(あっ…音無しのオナラが出せそう…)」
さおりちゃんは音無しのオナラが出せることがあります。すかすのです。すかしっぺという言葉を知るより先に、さおりちゃんは音無しでオナラができる優秀な幼稚園児でした。音無しのオナラをしようと、菊門のはじっこから空気を通す姿勢をとります。右のお尻を浮かせました。
※このあと過激な表現あり、改行します
ぷりぷりむりむりむりむり…ぷちゅ
さおりちゃんはオナラではなく、実の方を出してしまいました。しかもかなりの量です。確かに音はしませんでした。でも、においがします。明らかにオナラよりくさいにおいです。
おそるおそる膝の間から自分のブルマーを見てみると、ブルマーのお股のところから茶色いものがはみだしそうになっています。ブルマーを茶色のラインがふちどっている…そんなレベルでギリギリ、決壊せずにお尻全体に茶色がたまっている状態でした。お尻のほっぺも濡れている感じでなまあたたかい。さおりちゃんは、すべてが終わったと思いました。
■「なんか、くさかー」と言い出す子どもたち
体育館はくさくなりました。すごい偶然ですが、「くさか先生」という先生がいて、その先生がさおりちゃんを助けてくれました。異変に気付いてさおりちゃんの手を取り、トイレに連れて行ってくれたのです。漏らしてしまったこともすみやかに対処してくれ、あっけにとられている間にさおりちゃんは制服のスカートに着替えさせられました。
もしもお礼が言えるなら、中森明菜に似て美人だったくさか先生にお礼が言いたいです。
■幼稚園時代が最高に楽しかった
…というわけで、先生の機転により、「なんか、くさかー!」は何事もなかったかのように処理され、さおりちゃんはまたお尻踊りをして自由に生きていました。
しかし、小学校に上がってクラスでお尻踊りをしたところ、教師にものすごく怒られ、落ち着きの無さを毎日のように叱られ、宿題を毎日忘れ、教科書とノートを毎日日替わりで忘れ、面倒になってランドセルごと学校に置いて帰ったところで親が呼び出しをくらってしまい、さおりちゃんは「わたし」という自我の中に閉じこもり始めました。
「わたしはどうして、みんなとちがうの」
ひとりだけ教卓の横に置かれた小さな机と、伸びない身長、食べきれない給食に、やりたくない遊び。自由に踊ることができなくなって、お尻の使い道もなくなってしまいました。
そこからつらい義務教育を経て底辺高校へ行き、底辺高校でまさかの学業に目覚める事件が起こり、そこからわたしの人生は少しずつ回り始めました。
底辺高校でわたしを救ってくれた先生
回り始めのころは友達もできず、うまくいかないことばかりでしたが、社会に出て10年ほどたったころ、すべてが報われるような出会いがありました。夫と出会って、わたしは久しぶりに「さおりちゃん」と呼ばれるようになり、夫の前でお尻踊りをするようになりました。やっと、やっとお尻踊りを取り戻せたのです。
自由とは何でしょうか。
使えるお金が人より多いことでしょうか。戦争がない国に生きていることでしょうか。勉強ができることでしょうか。友達と笑いあえることでしょうか。好きな本が読めることでしょうか。休みが多いことでしょうか。好きな仕事につけることでしょうか。
わたしにとっての自由は、体を動かしたいように動かして、お尻踊りを踊ることです。気持ちをそのままからだのうごきに反映させて、伸びたり縮んだり、飛び上がったり転がったりするのがすきなんです。
そしてそれを阻まない人と暮らすこと。これだけだったんです。
今でも菊門の締まりがあまり良くなく、たまに事故が起こります。でも、そんなことも笑い飛ばせちゃう。だって、人間だもん。生きてるんだもん。恥ずかしいことも笑い飛ばして、人生ブレーキなしで生きていきたい。
公共の場でオナラががまんできないのが、目下の課題です。時効なので白状しますが、以前デパートのエレベーターの中でオナラをしてしまったとき、あまりのくささに「テロか!?」と騒ぎになってしまったことがあります。。不審物や異臭に敏感になっている時代だったので仕方ないのですが、したいときにオナラもできないこんな世の中じゃ…ポイズン…と力なく歌いました。
…エレベーターの中の騒ぎは、次に停まった階で全員降りることでうやむやになり、大事にはなりませんでした。それ以来、デパートではエスカレーターか階段を使っています。エレベーターはなるべく使いません。
話が脱線してしましましたが、リア充だったころのお話でした!
それじゃあ、また明日!
☆今日の過去記事☆