接客業は卒業したよ! あけすけビッチかんどー日記!

接客業歴15年のかんどーが綴る、あけすけな日記。人生はチキンレースです。一歩引いた方が負け。たまに小説を書きます。お問い合わせはsaori0118ai2あっとまーくやふーめーるまで。

【クレーム対応】座って楽な仕事してるんだからさ、もっときちんとやれよ!

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こんにちは、永遠のビッチ、かんどーです。
 
 
ドMな一面もありますが、もしかしてSかも知れない…と思うこともあります。以前も書きましたが、クラスタで分けるならわたしは痴女ですね。
 
 
 
 
さて、タイトルの言葉は、わたしが某携帯ショップで勤務している時、お客さんに言われた言葉です。わたしは基本フロアに立っていますが、忙しい時はカウンター業務も手伝います。ですので「座っている」と言われました。
 
 
今日は、ガチガチに話の通じない、怒鳴るお客さんに対する応対を書いてみます。
 
ノウハウというわけではありませんが、何かの気づきになれば幸いです。
 
 
 
 
◼︎「おい!」から始まった接客

Cから始まるABCもありますが、「おい!」から始まる接客もあるんです。





まず「おい!」と凄まれて、番号札とか無視でわたしの座るカウンターに直接やってきました。


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わたしはカウンターに座っていました。わたしのカウンターにはお客様は座っていない状態でした。(だから手が空いていると思われたのでしょう)
 
実際は、数分前に対応したお客様の業務処理をしていました。(カウンターで事後処理をきちんとするのは携帯ショップの仕事のうちです)
 
 
しかし、他に待ちのお客様が居ない状況であり、この場で「おい!」のお客さんに対する一次対応をした方が早く火消しできると判断し、パソコン画面を一度落とし、書類を手早く片付け、目の前に座ってもらいました。
 
このお客さんは、工事の仕事をしている風のいでたちで、手や指、すべてのパーツがゴツい、いわゆる男らしい体型のため、スマホの操作がとにかくやりにくかったようです。
 
 
クレームの内容は以下の通り。
 
 
先日、某量販店でガラケーをスマホに変えたが、使いづらくて仕方ない。なんでこんなものを勧めるんだ!?   設定も全くわからないからお前が今すぐやれ。
 
あと、

1、某ギャンブルアプリ
2、某ゲームアプリ

このふたつを、以前使っていたIDで使いたいから設定しろ。俺はやり方なんて知らん。
 
 
 
…との事でした。
 
 
そもそも、携帯キャリアショップでは、アプリの案内や設定はしてはいけないことになっています。やってはダメ、と上から言われているので、いちスタッフのわたしが勝手なことはできないのです。
 
しかしながら、無下な対応をしたら怒鳴り出すであろうこのお客さんを前に、「できかねます」の一辺倒が通じるか正直微妙。
 
…結果、口頭で「何をどうすれば良いか」を説明し、やり方を紙に書いてお渡ししました。(アプリをダウンロードして、以前のIDとパスワードを入力してログインしましょう、のように書きました)
 
 
すると
 
「IDもパスワードも覚えてねえよ!   それを聞きに来たんだよ!   お前んとこの携帯だろ?   それがお前の仕事なんだからよ、ちゃんとやれよ!   さっきから全然俺の携帯さわりもしねえで、接客業向いてねえんじゃねえの?   その歳で他の仕事ないのかもしれないけどさあ、それしか出来ねえんだろ?   だったらやれよ!」
 
 
ここまで言われてしまいました。(その歳で、は余計なお世話です。あと、初対面でお前と言える神経の人は人格を疑います。人として無礼です)
 
 
とりあえずすべて顔には出さずに応対。
 
しかし、ここでアプリの案内をしてしまうと、このお客さんは「あの店の、かんどーって人はやってくれたぞ!   お前もやれよ!」と他店スタッフに言うでしょう。それは防がなくてはならなかったのです。(携帯ショップで勤務している以上、この決まりは守らないといけないんです)


そもそも、アプリのIDとパスワードって、ものすごく大事な個人情報です。だって、それが他人にわかってしまったら、ログインできてしまうじゃないですか。。。そんな大事な情報、とてもじゃないですが「代わりに入力」なんてできないです。だからその部分はお客様自身にやってもらうことになるのです。

そして、こちらのお客様、IDとパスワードを忘れてしまってます。。それではログインできません。。。どうやっても無理です。ご自身で再発行してもらわないと。
 


わたしはここで、仮説を立てました。このお客さんは、量販店でも他の携帯ショップでも同じことを言い、何度も断られているのではないか?   それでムキになって、なんとしても自分の要求を通そうとしているのではないか?
 
 
 
そんな風に思ったのです。つまり、ホントは自分でできるけど、あえて店員にやらせたいと意固地になっているんじゃないかな、と。
 
そして、クレーマー特有の心理状態として「できかねます」と困る店員に対して罵るのが癖になってる人がいます。権限が与えられていない人を、そんなこともできないのか!   と罵るのです。察するに、それが気持ちいいんでしょうね。もちろん、熟練スタッフさんはそれぞれの返し方で上手に切り返しますが、新人さんなどはこういうお客に心を痛めてしまいます。
 
 
 
 
わたしはとりあえず、この人と会話してみることにしました。
 
 
「えーっと、この紙に書いた通りに操作していただくことは、難しいですか?」
「俺に?   やれっていうわけ?」
やって…ほしい…です(小声)個人様の情報を、わたしたちが勝手にさわることは禁止されているんですよ。決まりがあるので、どうしても出来ないんです」
 
「お前さあ、そうやって座って楽そうだな。そんで、わかんないこと聞かれたら、決まりですからーとか言って客帰してんだろ?   ほんっとに仕事出来ねえ奴の典型だな!」
 
…今のわたし、本当に…楽…に見えますか?(小声)   座ってする仕事なのは確かにそうですね。お客様は立ち仕事されてるんですか?」
 
「(一瞬真顔になり)あったり前だろ!   毎日毎日身体使って仕事してんだよ!」
 
「(ウンウンと大きく頷く)あの、きっとわたしよりお年が上なんでしょうけど、わたしよりすごく元気そうですよね。お仕事以外でもスポーツされてるんですか?(あえて今までの話忘れた雰囲気で)」
 
「いや、身体動かすのは仕事だけ。休みの日はそのスマホで賭け事して、翌日からまた仕事だよ」
 
「あー、ますます力になって差し上げたいですねぇ。でもゴメンナサイ、この入力だけ、お力貸してもらえません?   わたし多分ここで働いてる限り、一生お客様の望むお手伝いはできないんですよ(汗)例えば親戚とかだったら話は別なんですが」
 
「…(頬杖、あきらめモード)ほんとに決まり厳しいんだな…なんか可哀想んなってくるわ。じゃーもうちょっと詳しく書いて。そしたら自分でやるから」
 
「あっ、ありがとうございます!(メモ紙に、ご来店ありがとうございました☆と書き加える)」
 
「また聞きにきてもいいの?」
 
「…内容によります。お客様の個人情報に触れない、たとえば電池持ちの話ですとか、月々の料金の相談などでしたらいつでもお待ちしています」
 
 
 
こんな感じでこの対応は終わりました。正直、5年前のわたしなら、罵倒された段階で、どこで流れを変えるか見極められなかったと思います。また、自分の仕事を「楽な仕事」と言われた時点で感情的になってしまっていたかもしれません。
 
 
感情的になってしまうと、接客業とは言え、顔や態度に出ます。お客さんはそういうのに敏感で、今度はその態度に対してクレームを言ってきます。接客態度に対してクレームを言われてしまったら、残念ですがわたしたちは負けます。
 
なので、自分の心が限界を迎えないように接客をしなければならないのです。
 
 
(小声)の部分は、人間味を出して、店員だから文句を言おうというお客さんの良心を刺激しました。わたしだって人間なんだよ、というアピールです。マニュアル言葉でない言葉を小声で言うのは人間味が伝わりますね。この手の無理を言ってくるお客さんには、マニュアル言葉だけで毅然と追い返す方法もあるのですが、時と場合によって使い分けてます。


上記の応対は、たまたまお客さんが「収まって」くれたから良かったですが、全然収まらないこともありますし、わたしではダメで、対応を代わってもらったり応援でもう一人隣についてもらうこともあります。


正直、クレーム対応は千差万別なのですが、冷静に、知識を振りかざす場面とあえて何も言わない場面を見極めて対応するのがいいです。


最後に。


接客業は楽じゃないですよ!

 
おもしろいけど、楽ではないです。


今日はここまでー。

それじゃあ、また明日!
 
 
 
文:貫洞沙織



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