接客業は卒業したよ! あけすけビッチかんどー日記!

接客業歴15年のかんどーが綴る、あけすけな日記。人生はチキンレースです。一歩引いた方が負け。たまに小説を書きます。お問い合わせはsaori0118ai2あっとまーくやふーめーるまで。

卒業旅行に行けなかった分を取り戻すかのように一人旅をしている

スポンサードリンク

 

今週のお題「卒業」


こんにちは、かんどーです。

今週のお題は「卒業」だそうで。卒業といえば、卒業旅行の思い出という方も多いのではないでしょうか。写真も残りますし、聞くところによると、何度か行く人もいるそうですね。


わたしは、卒業旅行に行ったことがありません。親しい友達がいなかったので、そういう話も出なかったのです。わたしは短期大学の夜間部に通っていたのですが、とにかくお金がなかったので、学校で行われる修学旅行も事情を話して不参加にさせてもらいました。修学旅行に行く予算のために、無理にシフトを入れて体を壊すより、きちんと出席して卒業することを優先したかったのです。修学旅行に行くには、学費とは別で4万円ほど必要でしたが、当時のわたしにとって4万円は、50時間働かなければ捻出できなかったのです。通し勤務で5日…想像しただけで倒れそうでした。わたしが行かなくてもクラスメイトは特に何も言いませんでした。


それで、卒業旅行というものには無縁で生きてきました。というか、修学旅行のことをみんな卒業旅行と言っているのだと思っていました。そうではなくて、大学を卒業するときに、親しい者で計画して旅行に行く習慣があることを知ったのは、28歳のときでした。当時わたしは、街頭でチラシ配りのアルバイトをしていました。


そのチラシ配りのアルバイトは、最初のうちはフリーペーパーの配布に配属されるのですが(受け取り率が非常に高いフリーペーパーのため、新人でもやりやすい)、慣れてきたころ、「卒業旅行用のパンフレット配り」をやってみないかと打診されました。時給が少しだけ高かったので、わたしはその仕事を受けました。

卒業旅行のパンフレットは、芸能人が表紙になっており、大学生向けの旅行プランがたくさん載っていました。南国もあればヨーロッパもありました。10万円~20万円くらいまでが中心でしたが、アジア短期間なら6万くらいのツアーもありました。なかなか盛りだくさんなパンフレットでした。(一応配る前に内容を把握します)


それを配るのは、有名大学の校門の前。


頭脳明晰であろう大学生たちに、大きな声を出してパンフレットを配ります。

「ただいま、卒業旅行のパンフレットをお配りしておりまーす! 大変お得なプランが盛りだくさん、ぜひご覧ください! こちらのパンフレットだけの特別割引もございまーす!」

ずっとこの声出しをしながら、途中に休憩をはさみつつ、6時間配布を続けました。立ちっぱなしで声を出しっぱなし、なかなかきつい仕事でした。クラブシンガーのレッスンで鍛えたおかげで、声が枯れることはなく、わたしには向いている仕事でした。


ちなみに、チラシの配布にはコツがあります。ひとつは、ターゲットを絞って、この人に渡すぞ! みたいに意気込まないこと。ジロジロ見られたら誰だっていやですよね。だから前を見ているふりをしながら、感覚で通行人の胸の前あたりにさっと差し出すんです。そのとき、ほんの半歩だけ身を引く。そうすると、通行人にとって一瞬そのチラシが止まって見えるんですよ。それで、少しでも興味があれば受け取ってくれる。思考停止して受け取ってくれる人もいる。

そうして、一人受け取ると、次の通行人が受け取る率がものすごく上がるんです。ですので、わたしは上記の声出しのほかに、

「あっ、お受け取りありがとうございます!」

というフェイクのお礼を何度かはさんでいました。受け取ってもらえていなくても、受け取ってもらえた演技をするのです。そうすると、次の通行人の人が受け取る率が上がります。そうやって、少しでも効率よく配布するのです。

この法則を一度覚えると、携帯ショップでのイベントなどでもチラシ配りは余裕でできるようになります。チラシ配り一つとっても、ちゃんと考えてやるとすごく楽しいんですよ。

f:id:keisolutions:20160317223822p:plain





話がそれましたが、そのアルバイトを通じて、わたしは「卒業旅行」という習慣が本当にあるのだということを知りました。わたしからパンフレットを受け取った大学生が、

「ハワイだって! 良くない?」
「あーわたし〇〇たちとハワイ行くから、別のとこがいーな」
「じゃーどこ行く? イタリアとかどう?」
「ヨーロッパ回ってみたいよね!」

直訳:〇〇たちとハワイに行くから。あなたとは別のところに行きたい。

つまり、彼女は2回卒業旅行に行くということです。これは、どうやら普通のことらしく、同じような反応を何度か聞きました。(未だにこれわかんないんですけど、本当に二回行く人っているの?)



当時は何も感じなかったし、何も思わなかったのですが、ある時急に何かが降ってきて、わたしは弾かれるように「青年海外協力隊」に応募しました。受かりました。インドネシアに滞在してきました。体中の細胞が入れ替わりました。


その刺激が良いきっかけとなって、起業する元気がわきました。


そして今、起業してもう7年がたちます。わたしは去年から、海外一人旅をするようになりました。このブログを読んでいる方の中には、「かんどーさんは海外に慣れているんだなー」と思っている方もいるかもしれませんが、青年海外協力隊をのぞいたら、パックツアーでアメリカとサイパンに行ったことしかないのですよ。

つまり、去年から始めた海外一人旅は、ほんとに急にわき起こった欲望であり、わたしのなかで蓄積していたものが爆発したような感じなのです。



ちなみに、5月に台湾に行ってきます。

LCCを使うので、深夜着の深夜帰国(明け方日本に帰ってくる)ですが、きちんとルートを調べておけば、夜中のうちに安全なルートでもって移動を済ませてしまうこともできます。

このこと(LCCで深夜着)を夫に話したら、大爆笑をして、

「学生の貧乏旅行じゃないんだから!」

と言ってきました。わたしはそこで一瞬考えて、答えました。

「学生の貧乏旅行ってどんなものだかわからない。したことがないから。とにかくわたしはLCCで節約するから、年に1度じゃなくて2度、3度海外に行きたい。そのためなら仕事も頑張れるし、海外に行くようになっていろんな国の言葉や歴史も自然に知ることができてすごく楽しい。こんなおばさんがみっともないかもしれないけど、ずっとやりたくてもできなかったことだから、一人で貧乏旅行に行くことを許してほしい」

と。


貧乏旅行と行っても、ホテルはビジネスホテルっぽいとこに泊まるし、ごはんもフードコートや屋台で食べるっていうだけです。高級ホテルや高級レストランはパスっていうだけ。なんか、道端に座り込んでぼけーっとしたりしたいんですよ。海外では。



わたし、ふつうに友達がいて、卒業旅行に行っていたら、今のわたしじゃなかったのかな。時々考えます。でも、今のわたしはこれはこれで面白い。やっと一人旅に出ても誰にも文句を言われなくなったし。(今回の台湾も、フライト3時間前まで勤務する予定だし、帰国して3時間後には出勤する予定)


…ということで、わたしにとって「卒業」は何の思い出もありません。そのかわり、今、ひとりでいっぱい、いろんな国へ行って新しい出会いを見つけ、新しい自分に出会っています。学生時代に出会った人をほとんど覚えていないけれど、今出会った人とはたくさんの思い出が重ねられている。わたしの卒業は、きっとまだ先だ。

何から卒業するのだろう?

勝手に自分を縛り付けていた呪縛からかなあ。


とりあえず、海外一人旅は死ぬほどたのしーです☆


それじゃあ、また明日!


☆今日の過去記事☆

 

www.kandosaori.com

 

 

www.kandosaori.com

 

 

www.kandosaori.com