こんにちは、かんどーです。
わたしは、昔、組織に所属していたとき、それはそれは出世欲の強い人間でした。肩書がほしくてたまらない。班長でもリーダーでもなんでもいいから肩書がほしい! そんなふうに思っていました。
ただ、それはただの一度もかないませんでした。
子どもの頃から、班長でもいいからやりたい、部活の部長がやりたい、生徒会長がやりたい…! という子どもでした。もちろんそれも一度もかないませんでした。班長もやったことないです。そりゃそうですよね。授業中じっとしていられない、本来特殊学級に入るべき子どもでしたから。
そんな感じでいろいろこじらせたまま、アルバイトで食いつなぎ、起業しました。資金も自分で集めて(前も書いたけど、昼間は派遣で携帯ショップやって夜はキャバクラやって100万貯めました)起業したから、社長つっても別に誰かに推されて社長になったわけではありません。わたしやりまーすと宣言して始めた会社なわけです。結局、リーダーに選ばれることは一度もないままの人生です。
けれど、起業した以上、社長は社長。死に物狂いで働きました。
平日は毎日ド派手に飛び込み営業をして、とにかく仕事を取ってくる。土日のキャンペーンやイベントの仕事を請けて、自分で現場に入って売り上げをつくる。数人の仲間とそうした動きをして、何とか仕事を回していきました。
そのうちに、営業の一環として、飛び込み営業のあと、お酒を飲む場にも行くようになりました。
どんな話をして良いやらわかりませんでしたが、とにかく行かなくてはと思い、毎回何が何やらわからないうちに終わっていました。
あるとき、その場にいた部長さん的な人に「かんどーさんは何か、やってみたいことってあるの?」と聞かれました。その時わたしはとても尊敬していた携帯ショップの店長がいたので、こう答えました。
「あこがれている店長がいるんです。いつか、その方みたいな店長というかリーダーになってみたいなと思います」
その瞬間、相手の方(男性です)はぐわっと険しい表情になり、赤い顔で睨んできました。そしてこう言いました。
「君には店長なんて無理だね! 絶対無理! どんだけ大変な仕事かも知らないだろうし、君にできる仕事じゃない。絶対、絶対無理!」
「はあ…そうですねえ…」
「わかってんなら口に出すんじゃねえ!」
「ああ、口に出さないようにします…」
「まったく、ふざけんじゃねえよ!」
信じられますか? これ、普通の飲み会で怒鳴られたんです。。そんな変なことを言ったつもりはありませんでした。ただ、今考えると、その方は上に立つつらさが十二分にわかっていて、わたしが仕事をなめていると感じたのだと思います。
しかし、わたしはあこがれていることは口に出してかなえていきたいと思っていたし、やってみたいこと=できることとも思っていませんでした。今やっている仕事だって、足りない部分を補ってもらいながらなんとかこなしています。
…しかしまあ、この一件以来、「何かやってみたいことはないか?」と聞かれたときは、すっとんきょうな答えしか返さなくなりましたね。
「タイのゴーゴーバーで踊ってみたいです」
「お化け屋敷に一人で入りたいです」
「激辛ラーメンを完食したいです」
「ポケモンマスターになりたいです」
こんなことしか答えません。
だって、わかっちゃったんだもん。
人ってすごくいろんな顔を持っている。嘘つきも多い。悪気のない嘘でなんとか毎日を生きている。だから刺激しちゃいけない。
上手に顔色を読める自信がないなら、道化になるか低姿勢でいるのがいい。そうやってふざけていても、どうしても話を聞きたいっていう人は、何度も聞いてきます。そういう人にだけ、思っていることをみじん切りにして味付けして、ひょいと口の中に入れてあげるくらいでいいんです。
「ちょっとは、わたしの味を知ってもらえましたか?」
「うん、しょっぱいよ」
「ふふふ」
★★★
以下18禁
★★★
わたしのあそこは何年間も男を受け入れていなかった。アダルトビデオに出てくるような大きなお珍棒なんて、たぶん入らない。だからエッチなんてするつもりじゃなかった。たまたま誘われたから、友達だから一緒に食事をしただけのつもりだった。それなのに、食事が済んだ夜の9時「まだいいよね」なんて手を握られて…駅の方じゃなく、どう考えてもホテル街へと彼は向かっている。
地に足がついていないような時間だった。ホテル街に入って2~3軒目のホテルに入った。ロビーはたばこのにおいがした。彼とわたしは顔を見合わせて、禁煙の部屋を選び、ボタンを押した。友達の顔をして笑う彼を見て、わたしは安心した。恋人になった瞬間、友達を一人失ったような喪失感が、わたしは嫌いだから。恋人になっても、楽しい友達みたいな関係もあわせ持ちたい。
受付の人の手しか見えないフロントでカギを受け取り、エレベーターに乗った。目的の階を押して彼の方を見ると、にこっと笑って、すぐにそっ…と口づけてきた。これから始まることが、怖いことじゃないよって安心させてくれるような、やさしい口づけだった。
部屋へ入って、荷物を降ろすと、自分の環境や過去もぜんぶ降ろしたような気持になった。一人の女として地に足がついた気持ちになった。
わたしは、女。これからこの男とセックスをする。
わたしは自分から、男に近づき、軽く顎をもちあげて、自分からキスを求めた。もっと深いキスをちょうだい…もっと…あなたのやわらかい舌も感じたい…。わたしはちょっとだけ自分の唾液を多めに出してみた。彼は自然にそれを自分の体内に吸い取っていった。わたしも彼の唾液を舌でからめとって、飲み下した。
「…シャワー浴びる?」
彼の言葉に答えずに、わたしは彼をベッドに押し倒した。めちゃくちゃになりたかった。同じものを食べた、同じにおいのからだを五感で感じたかった。
わたしは羽織っていたカーディガンだけを脱いでノースリーブのワンピース一枚になった。彼のシャツを脱がせ、ベルトを外し、固いデニムのボタンに手をかける。
靴下も脱がせると、彼は薄手のトランクス一枚になった。真ん中が大きく膨らんでいた。彼の本能がそこに集中しているのがわかった。
わたしは彼のトランクスの上から顔をうずめた。左右に顔を振りながら、そのかたちや大きさ、固さを味わう。口に含まなくても、においや熱を感じることで、男を味わうことは可能だ。
そこで、彼はわたしの両腕をつかみ、体勢をぐるりと逆にしてきた。わたしに馬乗りになり、ワンピースの裾をめくって下着をあらわにする。見えている肌全体にソフトタッチで触れながら、濃密なキスで唇を愛撫する。
どれだけそうしていたのだろうか。気づくと彼はわたしのブラをずらし、ピンと張るように露出させられた乳首を指先でしごくように愛撫してきた。
「あっ、そんないきなり…」
彼は答えずに、反対の乳首を口に含んだ。舌で転がすように、吸い出すように、味わうように刺激する。どちらの乳首がしごかれているのかもわからなくなり、わたしはガクガクと腰を震わせて、イッてしまった。
このあと、わたしは自分が感じた満足を彼に味わわせるために、彼のぺニスをむきだしにして、まわりの敏感な皮膚の隅々まで愛撫するつもりだ。嫌がらなければ、アナルまで愛したい。
たちのぼる蒸れた男のにおいに思いきり顔をうずめながら、わたしは男のぺニスにじかに触れた。
続く