映画「何者」を観た。
わたしは朝井リョウの原作を読んでる。だからだいたいこんなもんだろーって想像して観に行った。ここでこんな感じで、そうそう。この子こういうキャラだよねー…
…って思えたのは最初の15分くらいだった。
青臭い就職劇。
わたしは原作「何者」をそんなふうに軽くとらえていた。「何者」に潜むどす黒い闇をまったく読み取れていなかった。「桐島、部活やめるらしいぜ?」くらいのノリで読んでた。
途中で吐き気がした。
朝井リョウの小説読んで吐き気がしたことなんてない。映画「ヘルタースケルター」では吐き気がした。目の前がぐるぐる回る吐き気がした。ああ、自分体調悪かったっけ…ちがう。いろいろ目の前につきつけられて気持ち悪いんだ。
登場人物に知ってる人の名前でてくんじゃねえよ。集中できねえだろ。若い大学生の話だっつーのに「忘れらんねえよ」に曲つくらしてんじゃねえよ。頭ん中完全にカイジっぽくなっちまったじゃねーか! 山田孝之をこんなぽんぽん出すんじゃねえ! ウシジマにしか見えねえだろ! 中田ヤスタカ今風の感じ出すのうますぎだろ! 脚本書いたの誰だ出て来い! 何小説の行間、完全に読み取ってます感出してんだよ! 読書家きどってるやつらみんな顔真っ赤だぜ!? おい、どーすんだよこの痛い感じ! 痛い痛い自分が痛いキモい黒い小さい醜いああこの罪はわたしも裁かれなければならない、群衆というおそろしい化け物に。
…断言しよう。
SFより、ホラーより、殴りあうシーンより、痛々しい人間劇は怖い。
演出と脚本と音楽にぶちのめされた。
朝井リョウの書いたものが、平面からむくりと立体化して起き上がり、化け物が出てきた。
原作を読んでいたので、顔真っ赤になるレベルでしんどかった。これから観る人は注意。
…ってか、わたしがイメージした世界完全に昭和じゃねーか! 脳内で自分が映像化した「何者」がださすぎて笑えんわ! 三丁目の夕日見て泣いてろ自分! みずみずしい表現もリアルな若者の世界からも、突き放された気がした。誰も味方じゃないって気がした。
軽く観ようと思っていたが、甘かった。今日は言葉が悪くてごめんな。
忘れらんねえよ。
★今日の過去記事★
最近毎週映画を観ているよ。
ウシジマくんの舞台挨拶に行ったよ!
一番最近観た洋画はこれ! 浅くも観られるが、仕事に誇りを少しでも持っている人であれば、ジーンと来る…ある意味30代~40代向け?
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