近藤史恵さんの「シャルロットの憂鬱」を読みました。
舞台は閑静な住宅街。共働きで、不妊治療に疲れた夫婦がひょんなご縁から、元警察犬の大きな犬をもらい受けます。よく訓練されたジャーマン・シェパードの女の子。元警察犬なので、名前は最初からついていました。
シャルロット、と。
シャルロットはきっとこんな感じ。
結構デカいんだよね。本の中では体重25キロってあった。この犬が飛びかかったら人一人くらい押さえ込めそう。
この本は、コージーミステリーと称される「身近なところで起こる小さな事件を、素人目線で解決していく」連作短編集のようになっています。主人公夫婦の、妻目線の一人称で物語は語られます。それだけに、シャルロットがどれだけ愛おしいか、かわいいか、大切かが折に触れてつたわってくるのです。そしてご近所の人たち。ある人は溌溂としていて、ある人は親しみがあって、ある人には秘密があって…。
全部で6篇。ちいさなミステリーが6つあります。
最初の1ページを読み始めてから、さいごのページを読み終えるまで、あっという間でした。。通勤中に読もうと思って買っておいたんだけど、結局寝る前に読みきっちゃったので、そういう意味では「コスパ悪い」と言えるでしょうwww
近藤史恵さんの小説はだいたいコスパ悪いです()つい一気読みしちゃう。
感想
ジャーマンシェパードがかわいくて仕方なくなる一冊でした。その気持ちにさせるまでのつかみが早い早い! 犬と暮らす感じが疑似体験できる。犬が好きな人もそうでない人にも、感情移入の余地がある。犬が個性的な分、主人公たちの個性はあまり無い。(ご近所の人たちは個性的w)
シャルロットという賢い犬がこちらを見上げ、あるときは物語のカギを嗅ぎ当て、あるときは警察犬の本能を取り戻して勇敢な姿を見せる。物語を追う手が止まりませんでした!! 続編読みたいなあ。シャルロットの活躍や、なにげない日常がもっと見たい。
…この一冊だけだと、たぶんすぐ読み終わっちゃうと思うので()
近藤史恵さんは、犬が出てくる小説をほかにも書いているので、3つ一気に買えば、3日楽しめますよ()
犬をめぐるミステリー。登場人物にブロガーが出てくるからちょっとおすすめw 後味はあんま良くない。わたしは読み終わったあと、いきつけの喫茶店に寄贈しましたwww かわいい小説に見せかけてイヤミスというオチをたくさんの人に味わってほしくてだね…
もう1冊。「さいごの毛布」。
「シャルロット」とほぼ同時に買ってやっぱり1日で読了した。勉強はできるのにうまく就職できない女性が老犬ホームで働くことになる話。犬がたくさん出てきて、それぞれの家庭の事情なんかが描かれる。ミステリー要素もある。犬がかわいくてしかたなくなる一冊。
タイトルから想像される「お涙頂戴」ではないので、ある意味期待を裏切る面白さだった。(これも別でレビュー記事書こっかな)
ここ最近は、自転車ロードレースものを書いてる印象が強かった近藤史恵さんだけど、犬が出てくるこの3冊も、なかなか味わい深くておもしろいのです。
単純に「疲れてるから読みやすい小説無いかなー?」と言われたときにおすすめしやすい一冊ですね! ほら、本格的な推理小説がちょっと疲れるなっていうとき。コーヒーじゃなくてココア飲みながら読みたい的なとき!
とってもおすすめの一冊なのです☆
一気読み度 ★★★★★
謎解き度 ★★★☆☆
ストーリー性 ★★★★★
読みやすさ ★★★★★
犬可愛い度 ★★★★★
★つけるとしたらこんな感じ! 装丁もかわいいよ。
それじゃあ、また明日!
★今日の過去記事★
近藤史恵さんは、何かをモチーフに連作短編のようにストーリーを紡いでいくのがとても素敵。旅をテーマにして、青いスーツケースのゆくえを追うこの小説もとても素敵だった。旅モノ好きなので、一番好きかも…?
全然レビューになってないけど、のめりこめる小説だったよ。
最近買った短編集にも近藤史恵さんいた! これも名作!