接客業は卒業したよ! あけすけビッチかんどー日記!

接客業歴15年のかんどーが綴る、あけすけな日記。人生はチキンレースです。一歩引いた方が負け。たまに小説を書きます。お問い合わせはsaori0118ai2あっとまーくやふーめーるまで。

接客業でクレーム対応をしてもストレスを溜めない方法

スポンサードリンク




わたしは、のべ15年接客業をしています。最初の数年は勝手もわからないし、どういう接客が「良い接客」なのかもわかりませんでした。

 


接客業に慣れた5年目~10年目は、クレーム対応に悩まされて体を壊しました。クレームをまともに正面で受け止めてしまっていたのと、技術不足だったからです。

 


「お前の説明、わかりにくいんだよ!」
お前どうせ大学行ってないだろ? だから説明も下手なんだよ」
「こんな仕事しかできなくてお前かわいそうだな」
「(長時間説明させておいて)説明ご苦労様、お前からは絶対買わないけどな」
「ぼけっとしてねえで謝れよ!」
「謝罪の仕方もわからねえのかよ?」
「ろくな勉強も経験もしてないんだな、あんたと話していてつまらない」
「いいから早くしろ! 早く!」
「押し売りするのやめてくれない? あなたみたいな人が生きていると迷惑なのよ
「あなた、口が臭いわ。離れて」




……こういった罵詈雑言を毎日浴びせられていました。ちなみに口がくさいのは胃を壊して何も食べられなくなり、毎朝吐いていた頃ですね。マスク禁止と言われていたし、口臭予防スプレーをたくさんしても追いつかないくらい口が臭かったんです。

 

それでも、大学を出ていない自分が悪い、自分はかわいそうだ、仕事が向いていない、口が臭い……そうだ死のう。

 

 

 

毎日お客の言葉で死に追い込まれて行きました。今はそうでもないかも知れませんが、一時期「客なんだからなんでも言うことを聞け」というタイプが多すぎる時期があったのです。

 




この頃はほんとに毎日死のうと思っていました。仕事に行くよりは死んだ方が楽だと思っていました。「辞めたい」ではなく「死にたい」と思わされるほどにクレームに精神をやられていました。

 

 

実際に死のうとしたこともあります。医者にもお世話になりました。(今考えると、よく接客業やめなかったよなwww)




しかし、最近のわたしはよくお客様からこのように言われます。


「かんどーさん、応対もきちんとしているし、話しやすかったよ(照)」
「今日は買わないつもりだったけど、あなたから買うわ
「かんどーさんは次いつ出勤? あなたのいる日に来るわ
「あなたのおかげで、少しはスマホを覚えようと思えたよ」
「こんなに親身になってもらえたのは初めてです、ありがとう」
「ここまでしてもらったら、あなたから買うしかないね!」



……この差は一体なんでしょう?



答えはわたしの「構え」です。



接客を怖がっていた頃のわたしは、次にお客様が何と言って怒り出すのかがわからなくてビクビクしていました。しかし、その時期にもちゃんと意味はあったのです。


あるとき、お客様が怒るパターンをすべて覚え、見切ってしまったのです。


見切れてからは「もう接客が怖くない」と開き直れました。



お客様が怒鳴ろうと息を吸い込んだ瞬間、にっこり笑って口元で「シー」とやってみたこともあります。

f:id:keisolutions:20170324233152j:plain

 

 

お客様は吸い込んだ息を飲み込んで、わたしに「携帯……壊れた……困ってる……」と伝えてくれました。ふだんの接客より30センチお客様と近づいて、携帯をのぞき込んでからカウンターにご案内しました。幸いデータが取り出せる状態にまではなったので、機種変更してお帰りになられました。



また、とってもわがままなお客様に対しては、少しきつい言葉も言うようになりました。

「年寄りだと思ってバカにしているんだろ! 俺は昔〇〇の仕事をしていて、お前なんかにゃわからないことを知っているんだぞ! 〇△※■☆!!!」

「……えーっと、お客様。本日はお話をする気分ではありませんか? よろしければご気分のよろしい別の日に、再度ご来店なさいますか?


直訳すると「帰れ」です。しかし物は言い方が大事なのです。お客様に寄り添う姿勢を崩さず、前傾でお客様にしっかり視線を向けながら「ご気分のよろしい日に再度……」と言えば、お客様も、

「そ、そんなことない、今日解決してほしいっ!」

と正気を取り戻してくださいます。


基本的に「お前」や「ババア」と言われたら笑顔一切無しで「そのような言葉で話しかけられましてもお答えできることは一切ございません」と返します。あまりにひどい言葉の場合は、大きな声で「大変失礼いたしました! わたくしが〇〇〇だということですね!」と言うこともあります。周囲に状況を知らせる効果もありますし、こちらが大きな声を出すと思っていなかったお客はびっくりして、正気に戻ります。


また、別パターンとして、茶化してみることもあります。


「今、お前って聞こえたんですが、わたしの空耳ですよね? さてどんなご用件でしょう? なんでも聞きますよ(最高の笑顔)」



ここまでは大体、暴言に対する対処です。しかし現場に毎日いれば、お客様が感じる不条理を直接ぶつけられることもあります。

もう三年前ですが、

「どうしてうちの妻に携帯を売った! 俺の許可なく携帯を持たせるなんて、お前何考えてるんだ!? 金を払うのは俺だ! なぜ俺に連絡なしに新しい携帯を買わせたんだ!!」

と怒られたことがありました。

まあ「そんなん知らんがなwww 奥さんカワイソス」と心の中でつぶやきつつ、どう料理したもんか考えておりましたが、ずーーーーっと怒鳴ってるので、パソコン画面見ながら「ええ、はい、聞いてますよー」と言いつつ別のことをしていました。

そもそも、成人女性が自分の意志で携帯を機種変更したいと免許証を持ってきたことに対し、

「旦那様の了解は取っておられますか?」

なんて聞くはずがない。時代錯誤も甚だしい。そういう家庭内ルールは家庭内で勝手にやってくださいって話です。


しばらく、のらりくらりと相槌を打っていたら、そのお客は、

「お前みたいなのが不法滞在の外国人に携帯を売って世の中を悪くしているんだ!」

と言ってきました。わたしは声を出して笑いました。


「( ´∀` )www すごい発想の飛躍ですね! いや、素晴らしい。そうですか、わたしが世の中を悪くしているのですか…」

「そうだろ? 俺間違ってないだろ?」

「……世の中に正しいとか間違っているなんてありませんよ。わたしたちは携帯ショップのルールにもとづいて仕事をしているだけですし、お客様はお客様で、家庭内にルールを設けているだけです。そんなのいちいち全部わかる人がありますか。そんなに奥様に携帯を買わせたくないのなら、ご自身で奥様にそう言えば良いじゃありませんか(最高の笑顔でにっこり)


言葉がきついときに(にっこり)を入れるとお客様は戸惑うようです。わたし(店員)は笑顔の応対できちんとしているが、謝ってこない。あれ、そもそも俺は何を求めてこの店員と話していたのだ? と省みてくれます。



文字で追うと、結構きわどい対応もあるように見えるかと思います。しかし現場は戦いの場です。怒鳴りたくてたまらないクレーマーにただ怒鳴らせて、時間を浪費している暇はないのです。


当然ですが、上記はすべて、こちらに100%非が無い場合の対応です。非がある場合は、「ご迷惑をおかけいたしました」でまず受ける。(申し訳ございませんではなく、ご迷惑をおかけしました、と言うのは責任の所在がまだ明らかでないためです)


その後、自分のミスだった! ということがはっきりした場合は、仕切りなおして深々と頭を下げて「わたしのミスです。申し訳ございませんでした……」としっかり謝ります。


ふだんの仕事がしっかりしていれば、お客様は、

「あなた、あの日具合でも悪かったの? ミスするように見えないけど……」
「うーん。。まあ、間違えることもあるよなあ。。さっきは腹立ったけど、直してくれたんなら今回のことはいいよ」

と言ってくださることが多いです。 


本当にミスをしてしまった場合でも、一生懸命やっていたとか、接客中ずっと楽しい話をしていたとか、そういう関係値が結べていたら、そうそう怒らないんです。


黙ったまま愛想もなく接客してミスをしたら、なかなか許してもらえません。


ふだんの接客でお客様に少し明るめに接したり、世間話をしたりするのは、実は自分のミスに対して保険をかけている意味もあります。



……さて、タイトルに戻って、接客業でクレーム対応をしてもストレスを溜めない方法は、


・八つ当たり的なクレームは「かわして」「聞き流して」「茶化せるなら茶化す」
・本当に自分がミスをしたときでも、クレームが来ないくらい丁寧に接客する


といったところです。


参考になったかわかりませんが、今回はこのへんで。
それじゃあ、また明日!!

 

 

文:貫洞沙織




★今日の過去記事★

最近書いた記事の中で個人的に一番好きな記事w

www.kandosaori.com

 

イベントの仕事をしていたときに手に入れたノウハウ。

www.kandosaori.com

 

携帯ショップには、覆面調査員も来ます。

www.kandosaori.com