わたしは「やりがい搾取」が大嫌いだ。
「お客様にありがとうって言ってもらえたら、それで幸せだろう?」とか言う人が大嫌いだ。わたしの中で、「ありがとう」は自分に対する評価のものさしの一つであり、接客の成果のデータだ。そう言われる行動を多く取るためのデータ。だから言われたら覚えているし、笑顔を返す。
わたしの心境はすでにこの記事に書いている。
まあ、ひねくれた人なわけです。
そんなわたしですが、最近ある人に言われました。
「ありがとうをそんなに憎まなくっていいじゃない。あなたが憎いのは、ありがとうを利用して安く人を使う経営者でしょう? ありがとうって言う人や、ありがとうを憎むのは、違うわよ」
お、おう。
なんかその通りだなと思いました。神経過敏というか、わたしは「ありがとう」と言われた瞬間、やりがい搾取されまいと心をガードして、感情を殺すように自分にプログラミングしていました。
今まで何千回も言われてきたであろう、ありがとう。
わたしはそれをひとつも、受け取ってこなかったのです。受け取ったら負けだと思っていたから。
自然に受け取ることもたまにありました。でもそれは、仕事から完全に離れた時だけでした。仕事をしているときは、とにかく「ありがとう」に過剰反応してしまっていたのです。
本当に最近これを言われて、それ以来なるべく「ありがとう」を受け取るようにしているのですが、まだまだ慣れません。やっぱり一瞬ビクッとしてしまいます。知らない人から食べ物をもらっちゃダメよ! って言われている子どもみたいです。「ありがとうを受け取っちゃダメよ!」という自分で決めたルールを、なかなか破れずにいます。
不自然にならない程度に、わたしも言うようにしています。
そして、いつの日か自然に、誰からの「ありがとう」も受け取れるようになれたらいいな。
そんなことを思い出したのでした。
あーもっと自由に生きたいな!