接客業は卒業したよ! あけすけビッチかんどー日記!

接客業歴15年のかんどーが綴る、あけすけな日記。人生はチキンレースです。一歩引いた方が負け。たまに小説を書きます。お問い合わせはsaori0118ai2あっとまーくやふーめーるまで。

西成のおじさんにたこ焼きを配って感じたこと(&西成周辺紹介)

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こんにちは、大阪、西成に2週間ほど滞在していました。かんどーです。今日は西成について思うことを書きます。

 

 

ホテルみかどと周辺

まず、明るい話題から行きましょう。

 

わたしは大阪では基本、「西成区」にある「ホテルみかど」に滞在しています。理由は、滞在費の安さです。1泊2千円くらい。安いでしょ。

 

お部屋はこんな感じ。毎回同じような写真でごめんw 今回は角部屋なので窓が二つあります。広さは同じですが、ちょっと解放感。

 

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宿泊客は今回も外国人の方が多かったです。滞在中に大阪で雪が降ったのですが、あたたかい国の方々は、「え、雪!?」と嬉しそうでした。キラキラと笑いながら雪を眺めていました。

 

「あいりん地区」とか「釜ヶ崎」と言われる場所の入り口ではあるのだけれど、駅からとても近いので、なんばとか心斎橋、USJに行くために普通に泊まって大丈夫なビジネスホテルです。たぶんもう30泊くらいしてますが、一度も危険な目に遭ったことはありません。

 

食事はなるべく近隣で済ませています。今回初めて行ったのは、「八福神」という居酒屋さん。うどん一杯だけでも食べられるし、居酒屋としても使える。一見さんお断りとか全くないので、普通に入ってOK。24時間営業です。

 

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店内の写真はありません。なんていうか、このあたりの地元の人たちがゆっくりする場所なので、パシャパシャしたくなかった。

 

肉豆腐と鶏肝の刺身とうどんを食べましたが、おいしかったですよ!

 

肉豆腐450円、鶏肝刺500円、うどん400円くらいでした。生ビールは350円。このあたりだと高い部類に入ると思いますが、食事してビール飲んでも一人千円以内でいけます。迷ったらここ行っとけ! という感じ。大通り沿いなので見つけやすい。

 

r.gnavi.co.jp

 

 

そうそう、スーパーも行きました。もちろん「玉出」です。やっぱりここ安い。おにぎり49円、シュークリームが38円ですわよ奥様。

 

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あとは、ぎりぎり滞在中でしたので、「えべっさん」こと「十日えびす」にも行ってきました。人がとても多くて大変でしたが、無事お参りを済ませることができました。

 

あと、定食や焼肉が美味しいお店も開拓しました。

www.kandosaori.com

 

西成の明るいお話はここまで。ここから先は少しダークなお話になりますので、ご興味のある方だけどうぞ。

 

 

福祉センター周辺でたこ焼きを配った

1月の西成に、雪が降りました。場所が場所だけに雪が降っても写真を撮る気分にならなかったです。昼間撮った福祉センターの写真を、一枚だけ。(このエリアはほんとに写真撮らない方が良いです)

 


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さて、わたしは今回「みかど」に滞在して、ほぼ毎日西大橋近くの「たこ焼きバー」のお店へ行き、たこ焼きの修行をさせてもらっていました。

 

わたしは「たこ焼きの屋台」でセブ起業します。たこ焼きってかわいいし美味しいし、海外の人に美味しいものを食べて欲しいなあって、ただそう思ったのです。

 

修行写真。一番最初に、水と粉だけで焼かせてもらったたこ焼き。

 

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外は少しだけカリッとして、中がフワトロのおいしいのを作りたい。粉の調合、火加減、返しの技術と、奥が深い。美味しいたこ焼きは一日にしてならず。

 

それで、少しだけ慣れた頃から具を入れて焼かせてもらいました。(タコは使わず、ちくわで練習しました)

 

この「ちくわタコ焼き」が意外とおいしくてですね。わたしも自分で焼いたのを食べたんですが、普通に美味しいんですよ!(まあ、焼き立てだから美味しいのは当たり前というのはあります。あとはソースとマヨネーズかければ大抵美味しいです。。)

 

せっかくだし、焼けた「ちくわ焼き」を西成で配っちゃおう! と勝手に思ったのです。生地に味もつけてあるし、ちくわも入ってるし、ソースとマヨネーズかければ美味しいし! なので、修行のあと、パックに入れて西成の「福祉センター」に行きました。あそこに行けば、たこ焼き(ちくわ焼き)を無料で渡して、食べてくれる人がいるかもしれない、と。

 

「ちくわ焼き」をパック詰めしたところ。

ソースとマヨネーズを多めにかけて、かつおぶしもかけて、持っていきました。

 
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福祉センターに行くまでの道のりで、不安でした。

 

どこの誰だかわからない人が作った食べ物を、はたして受け取ってくれるだろうかと。おじさんに話しかけて不審がられないだろうかと。そもそも、まだ全然おいしくできてないのに、マズイとか言われないだろうかと。(粉の調合とか、ほんとにまだまだなんです。。)

 

 

行ってみると、ちょうど雪がちらつき始めていました。たこ焼きを持つ手がかじかんで冷たかった。そんな中、ごそごそとゴミ箱を探って、毛布になるものを探しているおじさんがいたので、話しかけてみました。

 

「こんにちは、これ、わたしが作ったたこ焼きなんですが、食べてもらえますか?」

 

不審がられないように明るく話しかけました。おじさんは笑顔で「食べる。ありがとう! あったかいなあ」と言ってくれました。その後周りを見ると、寒さに備えて段ボールや毛布で防寒しているおじさんが数人いたので、順番に声をかけてたこ焼きを渡していきました。みんなとても喜んでくれて、ものの数秒で全部のたこ焼きがなくなりました。

 

「ありがとう」
「あなたが作ったの? うれしいなあ」
「(声が出ない様子、うん、うん、とうなずいてぺこりと頭を下げてくれる)」

 

誰一人として、変なものが入っていないだろうな? とか、不審がったりせずに、笑顔で受け取ってくれました。最初はそのことに驚いていましたが、よく考えたら、みんなたぶん、食べることに精一杯の生活。

 

 

そして印象に残ったのが、「ちくわ焼き」を渡した一人のおじさんの目。

 

人を吸い込んでしまうような、強力なものを持っていました。寒さもつらさもあきらめてしまったような、小さくて奥まっているのに強い、ビー玉のような眼でした。

 

この寒さの中、外で眠るおじさんのことを思うと、「ここは福祉センターなのに、どうして福祉が行き届いていなんだろう…」「この人たちが外で寝なくて済むようにする、それだけのことがどうしてできないんだろう…」と次々と疑問が湧きおこってきました。

 

たこ焼きはすべてのひとに受け取ってもらえました。それはとても良かった。でも、なんだろう。セブ島で起業するより先に、こっちじゃなかっただろうか? ここにある問題をそのままにしておくのだろうか? という気持ちがあふれてしまいました。

 

生活保護や老人介護に税金が使われていることについて、わたしは以前は否定的でした。働いてちゃんと納めている人が損をしているように思えたからです。

 

しかし、ワーキングプア問題が起こった頃から、考えが変わりました。どうやっても、どうにもならないこともあるとわかったんです。

 

 

あの、ビー玉の眼をしたおじさんは、生活保護を受けているのだろうか。もしも受けられていないのなら、なぜ受けられないのか。「ここはそういう場所だから」で片づけてしまって良いのだろうか。

 

わたしの少ない知識ですが、あいりん地区の人の中には、犯罪者や逃亡者も混ざっているそうです。そして少し前までは、違法薬物の売買もさかんに行われていたこと。今は取り締まりが厳しくなり、ただの「労働者の町」になっていること。しかしたまに暴動が起きて危険。観光気分で行く町じゃない。堕ちていったひとたちが、最後にたどり着く場所だとも聞きました。

 

 

今も、寒い中でおじさんたちが震えていることを思うと、どうにかできないのかという憤りでいっぱいです。

 

政治は、福祉は、人を救えないのでしょうか。

 

もしそうなら、それまで納めて来た税金はなんだったのでしょうか。どうにもならなくなった時に助けてもらいたいというのがそんなに悪いことでしょうか。

 

 

しかし同時進行で、性善説の裏側にある性悪説。不正受給や福祉を狙ったビジネス。労働斡旋にひそむ切り離せない癒着。

 

考えるほど、「結局、何をやっても、深い傷にオロナインを塗ることくらいしかできない」という結論に至ってしまいます。でもわたしは、オロナインを塗ろうと決めた。自分の手が空いているなら、自分にできる範囲でオロナインを塗って回ろうと決めた。これからの人生、わたしには子どももいない。もしもあの人達にオロナインを塗ることができるのなら、わたしは塗り続けていきたい。目に見える不幸を見過ごすよりも、できることをやりたい。あきらめてどうすんだよ。

 

 

幸せの範囲 

人の幸せについて考えるとき、わたしは「幸せの範囲」をよく頭に思い描きます。幸せは、量ではなく範囲で考えると、わかりやすい。

 

小さいころは、自分と家族が幸せだったらそれが幸せだった。大きくなって自己が芽生えてくると、自分一人だけが幸せならそれでいいって思うようになった。やがて大切な人ができると、自分とその人が幸せになるようにと思った。

 

今は「自分に関わるすべての人が幸せになってほしい」という思いまで至るようになった。そして今回の西成滞在で、「自分に関わる人だけでなく、現在不幸のどん底にいる人達にも、幸せになる権利はある。それを守れるようにしたい」という考えにシフトした。

 

何もできないかもしれないし、西成だけの問題じゃない。日本中で、世界中で、見て見ぬふりをされている不幸がたくさんある。

 

 

来世は「国境なき医師団」に入ることがわたしの目標ですが、今回の人生でもやれることをやっていきたいと思います。

 

具体的に参加できることがあれば声をかけていただければと思います。セブ島に行くとはいっても、帰国する日はあるので。やれることをやって行こうと思います。

 

 

わたしはこの世は人が人を傷つけるばかりの世界だと思っています。

 

でも、人は人を救えるとも思うのです。

 

 

わたしはバカなので、本で読んだりニュースを見ても直感的にそれを感じることができません。実際に西成のおじさんと話をして、初めてこういう気持ちになりました。

 

 

明るく楽しく滞在もできるし、ディープな面も持つ西成滞在は、わたしにとってとても大切な時間です。今は女性が一人で出歩いたら即危険ということはありません。(女性の一人歩きを推奨はしませんが)わたしは歩いていて声をかけられたら普通に明るい声で返します。わめいている人がいたら道を変えます。誰かと目が合ったらにっこり笑ってあいさつをしています。今のところ、危険な目には一度も遭っていません。

 

 

長文失礼いたしました。

 

大阪、西成に滞在して思ったことを書きました。今回も滞在して本当に良かったと思います。

 

 

こういう場所のことを、みなさんはどう思いますか?

 

 

それじゃあ、また明日。