こんにちは。人生わりと見切り発車の、かんどーです。今日は、わたしが実践している「見切り発車」についてお話します。
見切り発車って、あまり良くない意味で使われることが多いのですが、今回は良い意味で使っています。「この仕事は初めてだけど、過去の経験を生かしてやり切れるだろう」とまず請けて、その仕事をやりきってしまうのです。その過程で学びもあるし、そうすることで自分に実績が残ります。(ただし、絵を描いたこともないのに絵の仕事を請ける、とかはただの無責任なのでダメです。ある程度の下地があり、やれそうなことが前提です)
そういう「ちょっと勢いに任せた見切り発車」で実戦を積んできた話を書きます。慎重であることは素晴らしいことですが、ここぞという時には、思い切って「見切り発車」で仕事を請けることも必要かもしれません。
では、どうぞ。
事例その1:過去に事例のない仕事を請ける
これは起業してすぐのころに実践していました。わたしの会社は今年で9年目となりますが、起業1年目は本当に、仕事が無くて困っていました。毎日テレアポと飛び込み営業を繰り返していました。
そんなことをしていると、ひょんなところから、様々な仕事の依頼が来たものです。
1.「チラシ配りの仕事なんだけど、お願いできる?」
2.「来週の土日、イベントの司会者って用意できる?」
3.「〇〇ショップに3人一組のイベントチームを用意できる?」
どれももちろん、弊社では請けたことのない案件でした。ただし、1のチラシ配りは、起業する前に1年くらい早朝のアルバイトでやっていました。配り方のノウハウもわたしが知っていたので、これはいけると思い受注。友人知人の中でその日に働けるスタッフを用意し、チラシ配りのノウハウをわたしが直接教え、当日はしっかりチラシ配りを完遂しました。
2のイベントの司会者は、正直未知の世界でした。しかし話を聞くと、すでにいろんな場所で実施されており、大学生のアルバイトさんなども楽しく働いている仕事だといいます。わたしは「わたくし司会の経験がありますので、お請けさせていただきます」と言って受注しました。(一応、クラブシンガー時代にMC、司会をしていた経験はあるので)
そこからは、実際にそのイベントをやっている店舗を聞き出し、そこへ足を運び、どんなイベントでどんなしゃべりをするのかを一字一句メモ取りしました。(その仕事はゲーム大会の盛り上げ・司会というポジションでした)事前調査がよかったのか、なんとかこなすことができました。その後、「急な穴埋めに対応した」ことが評価され、そのクライアントからはイベントの受付スタッフなど別の仕事も回してもらうことができました。
3の3人一組のイベントチームを作って、土日のイベントを盛り上げる、についてはわたしが前職でイベントディレクターを経験していたため、二つ返事で請けました。この仕事は絶対にできると思ったのです。わたしがディレクターをつとめ、ガール2名を用意して集客すればよいのです。
……しかし、思わぬところで大変でした。まず、コスチュームをどこで手に入れるのかわからない。マイクは? 音楽はどうやって流す? ビンゴの機械どうするの? すべて手探りでしたが、知人の伝手をたどり、なんとか当日までにすべてのツールをそろえることができました。実務は経験があったのできっちりこなせました。この仕事も毎週土日に受注することができ、起業したての会社にとっては大変助かる仕事となりました。(もちろんわたしが毎週イベントディレクターとして丸一日現場に立ちました)
これらは、見切り発車ともいえる受注でしたが、ぎりぎりのところで「わたしはやったことがある仕事だ」とGOサインを出したり、「ほかの現場を視察して、その通りにやればわたしにもできるはずだ」とGOサインを出しました。ツールが集まらなくて手こずったときに助けてくれた方とは、その後ずっと長い付き合いが今でも続いています。
仕事での見切り発車はだいたいこんな感じです。次に、音楽での見切り発車。
事例その2:大して弾けないのにギター弾き語りを人前でする
これは、お金をいただいての「仕事」ではまだないのですが、どんな世界でも「人前でする」となると気合いが入るもの。そして「人前でする」ための準備をしていると、自然に必要な技術が手に入るんです。
わたしはギター初心者なのですが、とにかく早くレベルアップしたい。それで、まだろくにコードも鳴らせていない状態の頃から「ギター始めたんです」と会う人みんなに言っていました。
すると……
「2月に弾き語り、やらない?」
というお誘いが来ました。2月! あと2週間しかないやん! と焦りましたが、かしこまったライブでもないし、弾き語りをみんなで楽しもう! みたいな参加型のイベントであったことから、自分なりに事態を整理していきました。
・弾き語りできる曲のリストアップする
・5曲しか無かったので、2曲追加で練習、形にする
・人前だと緊張することを差し引き、簡単な選曲をする
あとは、心構えとして「ギターを失敗しても歌は止まらず、そのままのテンポで曲を最後までやり切る」「万一ピックを落とした時はとりあえず指で弾いて、一小節ブレイクを作ってポケットから予備のピックを取り出す」など、細っかいところまで決めていきました。
歌詞は当日になれば飛ぶ(忘れる)ことが想定されたのですべて読みやすく手書きで準備。逆にギターは忘れようがないくらい手に覚えさせていきました。
おかげで、当日はまったく焦ることがありませんでした。うまくはないし、安定もしていないけど、自分が楽しめたんです。全部が想定内であると必要以上に緊張もしないし、怖くないということがわかりました。(楽しめたというだけで、上手かったとかではありません)
この日のおかげで、3月にも同じイベントに参加させていただくことになりました。進歩が無いのは嫌なので、セットリストは全部変えようと思っていますw←無謀
半年後にはギャラありの仕事を手に入れて、2年後には、誰もが納得するようなプロになっているつもりです。「あの人ギターうまいな」くらい言われるようになってやる!
音楽の話はここまで。次に運動の話です。
事例その3:マラソンを始めたばかりなのに大会の予定を入れる
これがもっともわかりやすい例かもしれません。
わたし、ランニングを始める→続かないのループを繰り返していた時期がありました。走りにいかなきゃと思うのに、体が嫌がる。それで思い切って、「皇居の周りを4周走るマラソン大会」に応募してみたんです。もちろん1人で。この大会に決めた理由は、参加費が安かったから。皇居周りって信号がないから、交通整理などの費用がかからないので、結果として低コストで大会が開催できるんです。
さて、確か3000円くらいで参加できたこの大会。申し込んだのが開催の3ヶ月前くらいでした。
その日から、「3ヶ月で21キロのハーフマラソンを走りきるにはどうしたら良いか?」を調べ尽くし、練習プランを作成。朝晩に分けて2キロずつ走ったり、足とお尻に筋力をつけるために階段を使ったり、とにかく体を動かしました。
1ヶ月後には、5キロランが余裕でできるようになり、2ヶ月後には10キロランが余裕になりました。最後の1ヶ月は、10キロ走りつつ、1回だけ15キロ走って、大会前の一週間はトレーニングのしすぎに気をつけて本番。
初めてのハーフマラソンは、無事完走しました。確か2時間5分。2時間切りはできなかったけど、満足でした。
そして、この大会でわたしはある団体と出会います。それは「盲人マラソン」の団体。目が見えない方と、その伴走をする人とを繋ぐ団体でした。
大会の最中、ずっと近くで走っている参加者の方がいたのですが、その方、隣の人と手を繋ぎながら走っていたんです。そしてその手を繋いでいる人が、リズミカルに声をかけている。
「10メートル先段差ー!」
「石がある、左に少し動きます」
「段差超えます3、2、1」
最初は、何をしているのかわかりませんでした。しかし近くに行くと「伴走者」のゼッケンが見えました。そして「伴走者」は途中で一度交代していました。それまで少し離れていたところを走っていた方が、さっと元からの伴走者と入れ替わる。よく見ると、手を繋いでいるのではなく、二人は小さな輪っかを持って、互いの走るペース、手振りのペースを合わせて走っている。
「え!?」
わたしは目からウロコでした。
目が見えない人も、走ることを楽しめる。そのためにサポートしている人がいる。そしてその人たちはその日の参加者の中で誰よりも楽しんでいるように感じたんです。
大会終了後、その方たちを見つけて話を聞きに行きました。
「あの、伴走っていうのは……」
この日をきっかけに、わたしは盲人マラソンの伴走トレーニング合宿に参加し、やり方を覚えて練習に参加するようになりました。1年くらい続けました。仕事がハードになったときに、事情を話して離れましたが、ものすごく楽しい1年間でした。
毎週日曜日には、代々木公園とかそういう場所で朝、集まって、身長やペースを考慮してペアを組む。ペアの方の視力は千差万別。全盲の方もいれば、視野角が狭い方もいる。伴走も、輪っかを持ってするのがほとんどだけど、視野角の問題だけの方の場合は、その方にとっての死角に石などがある時に声をかけるだけでよい。
このことがあってから、わたしの中で「走ることは、希望だ」と位置づけられました。
前向きになる。
気持ちが上を向く。
誰かと関われる。
見切り発車で、マラソン大会に参加して大きな宝物を手に入れたお話でした。
……いかがでしょうか。
見切り発車でも、物事を始める時は「人前に出る」「プロとして仕事をする」ことを自分に約束する。それだけで、ただの趣味や、無理かもしれない仕事がすべて、血肉に変わります。
もし今一生懸命取り組んでいることがあるなら、何らかの形で1歩、前に踏み出してみることをオススメします!
最後になりますが、今まさに進めているセブ起業も、まだたこ焼き焼けるようにもなっていないのに周りに「セブ起業する」と言いまくっていました。絶対その方が早いんです。
セブ起業については、いつか振り返って、深く掘り下げた記事を書くかも知れません。この体験はプライスレスすぎるので。
以上、かんどーでしたっ!
それじゃあ、また明日!