みなさま今年もよろしくお願いします!(喪中なので簡略ですみません)
★★★
わたしがアイドルを応援するようになったのは、某地域密着アイドルの立ち上げを間近で見る機会があったからだ。どこの、どんなグループとかは言わないけど、たまたま同じ時空に居合わせた。
彼女たちがカバーするのを聴いて、わたしは「ももいろクローバー」「AKB」というグループの存在を知ったのであるw
その地域密着アイドルのことは、3年くらい応援したかな。地下という現場に行く機会をもらったのは彼女たちのおかげだし、あの場所が間違いなく「好き」だった。
最初の頃は、ファンの人に声をかけられた。「いつも来てますよね? もしかしてメンバーの子のお母様ですか?」めちゃくちゃ若いグループで、最年少が10歳とかだったので、会場にいる同年代の女性は大抵メンバーのお母様だったわけです。
そんなわたしが、ある1人の少女に恋をした。
なんてことはない、「推しが決まった」それだけのことだ。彼女は歌よりダンス派、というか武闘派だ。常に戦っていた。どんな小さなステージでも、キッと遠くを見据えるようなその目に、わたしは魅せられてしまったのである。
彼女は、初めて会ったときはまだ小学生だった。しかし、すくすくと伸びやかに美しく成長する姿は、さらにわたしを魅了した。長い手足を持て余すような時期もあったが、基本動きがきれいなのだ。
あるとき、たまたまのきっかけで、わたしは彼女のご両親と会うことがあった。ただ推してるだけなので……と思ったのだが、なんというか真面目な感じで「娘を応援していただき、ありがとうございます」と言われたのが今でも印象に残っている。
その日から1ヶ月後。
彼女がグループを脱退することが発表された。きちんと段階を踏んだ脱退らしく、ちゃんと「卒業」していた。
その「卒業」後、しばらくしてご両親(とたぶん本人)からメッセージが届いた。わたしは当時から発信していたので、向こうがうまいことわたしを見つけてくれたのだ。
「貫洞さま
いつも娘を応援してくれて、ありがとうございました。娘とチェキを撮ってくれてありがとうございました。女性のファンの方は初めてで、その日はとても喜んでいました。
そうそう、〇〇〇(アイドルの名前)はとっても身長が伸びたんですよ。さおりさんと同じくらいです。160センチあります(*^^*)
しばらくアイドルの活動はお休みしますが、また新しく始める時にはご連絡させてください。
本当にありがとうございました。
〇〇〇」
こんな内容だった。
初めて会ったときには145センチくらいだった。小さいなあ! とびっくりしたのをよく覚えてる。もうすっかりお姉さんだね~なんて思った。
そして、気づいた。
わたしはもう、彼女に触れることも彼女を話題にすることも、応援しにいくことも、何も出来ないのだと。ブログで「運動会~☆」とか書いてあっても応援に行けるわけがない。彼女がアイドルであるからこそ許された事だったのだと。
わたしはその時に悟った。
「アイドルは、アイドルである間だけ応援できるものなんだ」
と。
つまりその瞬間応援しなければ、その宝石は来年はもう無いかもしれないのだ。一般人を付け回したらストーカーであるw
……その彼女の話には少しせつない続きがある。
彼女は、もっと大きな舞台に立つために事務所を移籍していた。そしてユニットになったり、グループになったりして活動を続けていた。
しかし。明らかにオーバーワークだった。平日は夜レッスンがたぶん週3回くらい。土日祝日はライブ。彼女のブログには、ライブ写真ばかりが増えていった。
そんなとき。
彼女のお父さんが(実はお父さんのブログを教えてもらっていたのでわたしはそれを読んでいたのである←)、ブログを書いた。
「娘が疲れているみたいなので、遅い時間だけど車を飛ばして娘とデートです。ここは夜景がとても綺麗です。娘は久しぶりのプライベートでのお出かけを喜んでくれました。時間が遅かったけど、行って良かった!」
そこには、満面の笑みで笑う彼女がいた。
わたしは新しい事務所に移ってからの彼女は見に行っていない。明らかにライブが多すぎて追いきれなかったというのが正直なところだが、ちょっと見ててツラくなってしまったのである。
彼女のグループは、良くも悪くもライバル意識が強く、グループ内でも気が休まることは無かったように思う。最初の頃は、ユニットとかをやっていて、その時は空き時間に相方の子と仲良くスイーツを食べたり、お泊まり会をしたり、微笑ましかった。わたしはそういうのが好きなのだ。
活動をヌルくしろと言っているわけではない。そこまで客前でケンケンしないでくれと言いたいのである。ビジネス仲良しでいいからやって欲しかったのである。。
彼女はそのグループを突然脱退した。
これはあまりに突然だったから、たぶんご両親が動いたんだと思う。
それから5年の月日が流れた。
彼女はもう高校三年生だ。
彼女は小さく、活動再開していた。「受験勉強のため参加しないライブがあります」などと注意書きもあり、臨機応変にやれるユニットに参加しているようだった。(言うまでもないがめちゃくちゃ可愛くて綺麗なお姉さんに成長なさっている)
彼女はユニットのメンバーとの「仲良し」な写真もたくさんアップし始めていて、やったー!! と思った。彼女は話した感じ、とても頭がいいからきっと受験はかなり頑張ると思う。アイドル時代も頭の良さは、頭抜けていた。MCで誰より笑いを取れる子だったし、ダンスがある程度出来るようになるとすぐ自分で振り付けを始めた。(もうこの時点で素晴らしい)
ニコニコ笑ってるけど、ほんとはかなり頭いいよね? そんな蒼い彼女の中核が透けて見えるのが好きなのだ。彼女は地球だ。パステルカラーで包んでごまかしているけど、彼女こそが地球だったのだ。
わたしがいつまでもアイドル好きなのは、彼女のせいだと思う。地球が回っているからわたしも回る。
そして、わたしにも計画がある。
今年の春。彼女は本格的に活動を再開するだろう。
わたしはその時地球に会いにいく。あんなタマはそうそういたものではない。すべての階層ぶっ飛ばして自分の世界に一瞬で客を持ってってしまうのだ。惑星でなくて何故そんなことができようか。今年はちょっとわたしの中で特別な時空が動くと思っている。楽しみだ。
……長くなったが、わたしがアイドルを愛する理由は、それがすべての真実に繋がっているからだ。アイドルは水であり命であり地球なのだ。
アイドルという言葉の起源をたどると、その昔男が闘いに行く時に自分を奮い立たせる存在としての「心の底から憧れ、慕い、敬う存在」としての女性であるとされている。
わたしも闘いに行くことがある。だからわたしにはアイドルが必要なのだ。
わたしはこのアイドルが誰なのか明らかにするつもりはない。文中でも、ちょっと本人バレしそうな部分だけ脚色させて頂いている。聞かれても答えない。
だけど、この記事のことが忘れ去られた頃、わたしは彼女のことを書くと思う。大好きな彼女がどんな綺麗なお姉さんになっていたかを書くと思う。
それはとても軽い記事に見えるように書かれるだろう。ただのアイドルのオタクが昔好きだったアイドルに再燃しただけの記事になるだろう。
たぶんそれでいい。
感慨深いのは心のとても奥の方で、それをぜんぶ書いてしまったら、その日がからっぽになってしまう。だからきっとわたしは軽く書く。それこそがわたしが彼女を応援している、という小さなケジメなのである。
今年もよろしくお願いします。
かんどーさおりたん