接客業は卒業したよ! あけすけビッチかんどー日記!

接客業歴15年のかんどーが綴る、あけすけな日記。人生はチキンレースです。一歩引いた方が負け。たまに小説を書きます。お問い合わせはsaori0118ai2あっとまーくやふーめーるまで。

わたしは好きな歌を言わない

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こんにちは、かんどーです。

ここ最近、ブログがマイルドだと思います。日々の生活や料理、音楽活動のことを書いています。セブに行ったらセブのスタッフと仲良く仕事をしているところをアップしているので、なんというか、毒が抜けていると感じている方も多いと思います。でもそんなことはありません。


最近、自分の中の毒をはっきりと自覚しているので、前より自分の意見を公にして書かなくなっただけです。


毒をマイルドにして伝える方法はありますが、結局盛った毒は相手の体内で分解されないまま残り、相手との縁が切れるだけです。結局のところ、相手との縁を切りたい時以外は毒は盛らない方がいいという結果になります。

わたしは自分の境遇についてどうしても「全部良かった!」と言い切れる人間ではありません。あのときこの人が協力さえしてくれたらうまくいったのに、あのときこの人が邪魔をしなければ今頃こんなふうになっていたのに……ということばかりです。ここ10年ほどは自分を守るために戦えるようになったので、トラウマになるようなことはありませんが、正直に言って社長になるまでのわたしは誰にも助けてもらえず、生きているのが本当に嫌でした。


人と長時間一緒にいて、必要でないことまで話してしまうのが嫌です。それから、人とお酒を飲むのも本当は嫌です。自制のきいた自分であれば絶対に言わないようなことまで話してしまうからです。「自分を失う」ような感覚になるので、人とお酒を飲むことがあまり好きではないのかもしれません。一人で誰にも迷惑をかけないところで飲むのは好きです。

わたしは何に対してもこだわりの強い人間です。締め付けの強い服が嫌いであるとか、足の爪が巻き爪だからつま先がとがっていてヒールのある靴を履くと嫌な気分になるとか、パンプスをはくと足の裏がつるから嫌だとか、靴下は綿100%の黒かグレーでないと嫌だとか、どうでもいいこだわりがたくさんあります。

PASMOのチャージは一回に1万円するとか、スマホは常にフル充電の状態でないと嫌だとか、部屋にモノを置かないとか(ちょっと病的です)、8時間寝ないと嫌だとか、生活面だけでもものすごくたくさんのこだわりがあります。


これと同じことが、見るものすべてに対してあるとしたら、どうでしょうか。


仕事ではこの性格は「良い」と言われます。率先して片付けたり掃除をしたり、モノの場所を決めたりするからです。書類をファイルにきっちり綴じてから帰宅する性格も、小さなメール返信や書類作成を後回しにしない性格も、ぜんぶ「良い」と言われます。


しかし、仕事以外だととても面倒臭い人間になります。


映画ひとつ観たとしても「面白かったねー」で終わりにできない。自分の中にある価値観と照らし合わせて、あれは違うと思う、これはある特定の思想に傾倒していると感じる、自分ならあそこでこの行動は取らない……

映画ならまだしも、それが他の芸事の話になると、とにかくこだわりが強いのであまり人と話をしたくないというのが本音です。


たまたまある芸事の話になったとして、相手と自分が互いにそれを好きであれば問題はないかもしれませんが、仮にその芸事に従事する人やそれをサポートする会社があまりよくない行動をとっていたとすると、わたしはどうしてもその芸事に対して否定的な感情を持ってしまいます。

仮に映画だとすると「映画はこうあってほしい」というようなことを言うわけです。めんどくさいですよね。


そういう話って結局、価値観や感性の問題ですから答えなど出ないわけです。そもそも簡単に折れていいような話ならいちいち意見を出していないですから。


最近「〇〇(アーティスト名)の中で一番好きな曲は何?」という質問をされて「一番は無い、みんなそれぞれの良さがあると思う」と答えたことがありました。答えとしては最高に盛り上がらない解答なのですが、そんな回答をしたのには理由がありました。


「わたしは〇〇が好き」という言質を取られたくなかったんですよ。


昔、音楽の仕事をしていたころ「〇〇というアーティストは好きか?」と聞かれ、仕事上聴く必要があって聴いていただけだったけれど、一応人前で歌っていた曲のあるアーティストであったため「好きですよ」と答えました。すると数日後、その人からライブチケットを渡されたのです。そう、〇〇というアーティストの。

ライブって長時間です。相当好きでないとワンマンライブは苦しいです。正直好きなジャンルというわけでもなかったのに「かんどーさんは〇〇が好き」という言質を取られているだけに断るわけにもいかず、とても苦しい思いをしました。


そのほかにも、「私は〇〇(アーティスト名)が大好きなんだけど、あなた好き?」というふうに聞かれて、わたしが店員でその人がお客さんであったのと、知っている曲が割と多かったので「好きですよ(知っていますよに近い意味)」と答えると、その場は盛り上がりましたが、そのずっと後でそのアーティストのライバル的アーティストを褒めたときに「〇〇が好きって言っていたのに、そっちを聴いているの!?」とキレられたことがあったので、ああもうめんどくせえなと思い、「好き」をアウトプットすること自体を封印しました。


相手が明らかに知らないものを挙げておくのが良いと思ったのです。


簡単に言うと、食べ物何が好きと聞かれて「虫」と答えるようなものです。カレーが好きと答えたら、どのお店のカレーが好きかとか聞かれるけれど、虫ならそれ以上の話はあまり広がりません。そういうふうに話を終わらせるのが一番早いし、誰も傷つかないのです。

マイナーすぎるものでいくつか「これが好き」という看板にできるものを持って、常に自分を守っている状態です。言質を取られて嫌だった思いはずっと残っていますし、やっぱりそういうのは嫌です。人間なので今はこれが好きでも明日は違うかもしれないし、一年後に変わるかもしれない。だからそういうセンシティブなことは人には言いたくないのです。

わたしはエンタテイメント全般を一人でこっそり楽しむ人間なので、そういうところは理解していただけると嬉しいです。


わかってくれそうな人(わたしがすぐ気が変わることなど)にはいろいろ話しますが、たとえば接客をしていて初めて出会った人などに自分の趣味嗜好を話すことはまずないです。怖くてできません。あとは記憶力が異常に良い人にも話すことはないです。


とりあえずまた明日。