「天使はここに」 週6×12時間ファミレスで働いて得られる幸せについて考えさせられた本
こんにちは。貫洞です。
仕事は接客、趣味はジョギングと読書です。
昨日読了した小説が非常に非常に面白くて、特に「仕事とのつきあい方」に悩む人は読んでみたら良いんじゃないかなと思いましたのでご紹介します!
…帯を読めばこの本の主人公、真由子がどんな環境に置かれているのかが一目でわかりますね。
この本は「生き方・働き方」という絶対みんな一度は悩んでいることについて、ファミレス店員の真由子を通じて深く深く…そこまで深く!? というくらい掘り下げてくれます。
ファミレス店員という仕事を自分がどんな風に思っていたかも、作中の登場人物の発言によって見事に浮き彫りにされましした。(わたしは読みながら「真由子、あんた仕事できるんだから転職しちゃえよ…」と何度も思ってました;)
しかし、そこは主人公を張るだけのことはある。真由子には自分でもうまく言葉にできない、けれどものすごく強い、仕事に対する矜持があるんです。それが読み手にも真由子の周りの人にもちょっと異質に見えてしまう。
実際、真由子は異質です。こんなまじめな人、実際問題わたしは見たことがありません。わたしは真由子になれそうにはありません。
この一冊を読みきるまでの間、真由子という異質な友達が横にいるみたいでした。
朝仕事に行って夜帰ってきて、少ない休みの日もバイトの誰かが休んだら容赦なく呼び出されて仕事に行く(この場面もう読んでて辛かった・涙)生活をおくっている真由子。そんな真由子に対しての思いが変化していくのを受け入れることが、とてもとてもおもしろかった。
「接客業あるある」的なクレーム対応の場面などもあり、ここは接客業の人間として興味深く読みました。完璧なクレーム対応が描かれているわけではなく、実際の現場はまあ、こういう落としどころになるよね…という生々しいリアルさがありました。
著者の朝比奈あすかさんの小説を読むのは、実は初めてでした。
ものすごく面白かったので、早速他の著書も一気読みするつもりです。全部読んじゃうかもです。
他の本でも「生き方・働き方」を書いているようで、著者のインタビュー記事がありました。
「天使はここに」ホントに面白かったです。手が止まらなかったです。
【個人的所感】
一気読み度・・・★★★★★
エンタメ度・・・★★★★☆
社会派度・・・★★☆☆☆
女性向け度・・★★★★★
泣ける度・・・★★☆☆☆
笑える度・・・★☆☆☆☆
考えさせられる度・・★★★☆☆
「あの子が欲しい」と「やわらかな棘」から読もうと思ってます。
やっぱり本はいいなぁ。