接客業は卒業したよ! あけすけビッチかんどー日記!

接客業歴15年のかんどーが綴る、あけすけな日記。人生はチキンレースです。一歩引いた方が負け。たまに小説を書きます。お問い合わせはsaori0118ai2あっとまーくやふーめーるまで。

サービス業が衰退しないために

スポンサードリンク

 

 
(貫洞です)



リンク先の記事を読んでほしい。とても残念なニュースがある。


中国バッシング報道がもたらしたもの、中国人をバカにする日本人店員たち(高口) : 中国・新興国・海外ニュース&コラム | KINBRICKS NOW(キンブリックス・ナウ)


要約すると、中国人観光客を十把一絡げにして「マナーが悪い」と決めつけ、彼らに対するサービスレベルが落ちている。これではせっかくの爆買いの勢いも止まってしまう…というもの。

f:id:keisolutions:20160105233820p:plain




「爆買い」はよく目にする光景。空港でも目にする。ここ最近、中国人を一度も見なかった日が無いくらい、たくさん日本に来ている。そして彼らは本当にたくさん買ってくれる。


そこにいち早く目を付けて、きちんと中国語スタッフを配置していた家電量販店「Laox」は、昨年6月に営業利益79倍なんてニュースになっていた。(Laox自体が中国企業に買収されており、中国人の誘致にはうってつけだったことは言うまでもない)


わたしは昨年このニュースを見て、中国語のわかる知り合いを連れて、実際にLaoxの売り場を歩いた。中国語でどんな接客をしているのか翻訳してもらうと、

「これは良い炊飯器です」「一番売れているドライヤーです」

のように丁寧かつキャッチーなセンテンスを繰り返していたそうだ。実際に購入を決める前の接客ではもう少し詳しく話すが、基本、良いところをバシっと伝えるスタイルの接客だった。所作や歩き方のキビキビは日本式。Laoxのすごさを間近で感じることができた。



翻って、銀座や新宿、池袋など、中国人がたくさん買いにきてくれる場所でのサービス低下。これはもう最悪


わたしは携帯ショップで仕事をしており、キャリアショップの受付基準はとても厳しいので、外国人のお客様が「iPhoneがほしい」などと来てくれても、なかなか販売できない。2年契約があるので旅行者には売れないし、短期滞在の場合も契約が難しい。

その点、服やバッグやサービスなら、彼らにいくらでも売れる。わたしがその職についていたら、絶対彼らに贔屓にしてもらいたい。中国語を必死で覚えてでも売りたい。接客、サービス業はペコペコすることではないけれど、買ってもらうために最大限の努力はすべきと思う。



先日、銀座の時計屋をのぞいてみたら、中国人と欧米人の二組のお客がいて、二組とも高級時計をしっかり吟味して、購入を検討しているようだった。でも、対応する日本人スタッフの英語があまりに拙かった。英検3級レベルのわたしでもわかるくらい、拙かった。

頑張って話そうとしているのは感じたが、正直サービスの最前線にしては、あまりに弱かった。あれでは「時計を指名買いで来た」人にしか売れないだろう。迷っている人の背中を押すには、商品のことをあと一歩突っ込んで英語で話す必要がある。日本語では話せている、限定何本だとか、シリアルナンバーのこととか、素材のこととか、それだけでいい。そこに人間性が少し加わる程度の英語でいいのに。


日本企業は今こそ、サービスの底上げのため、語学を必須にすべきと思う。外国人が一人も来ないお店なんてもう無いだろう。東京がいっぱいになれば観光客は新たな場所を探す。むしろ、「うちの町へ来れば温泉もあるし、着物や日本のおみやげが買えます。ブランド品の免税店もあります。英語と中国語スタッフ常駐です」くらいにしておかなくちゃいけない。


池袋の駅には、中国人専用の案内所ができている。

ターミナル駅以外にもこれからどんどん必要になっていくだろう。


中国人以外に、タイ人もどんどん日本に来ている。未曽有のチャンスだ。もっと観光してもらったり、交流する場所を作って、また来てもらうべきだ。


わたしはタイに行ったとき、フロントで丁寧な英語接客を受けた。高級ホテルじゃない。安ビジネスホテルみたいなところだ。少なくとも「ホテルに関するほとんどのこと」に対してきちんと英語で返してくれた。タイ語を覚えたいと思っているが、覚えなくても安心して行ける国だとわかり、すぐリピートした。タイ語がわからないと困る場面もあるが、基本人が親切なので、実際は何とかなってしまう。


今、日本の良いところは

・良質な「本物」が手に入るところ
・安全なところ

に集約されてしまっている。買い物して帰ってしまうのでは、あまりに寂しい。旅行者は、実は孤独なのだ。(わたしは一人旅ばっかりしているのでよく孤独と向き合う)


気持ちよく滞在してもらい、サービスを体感してもらい、日本の良さをそれぞれの国へ持ち帰ってもらえるような体制を作りたい。


そのために今、何ができるだろうか。


すでにホテル業界などではこれらのサービス向上機関が発足しているという。サービスのプロがこの問題に取り組んでいる。


わたしにできることは少ないが、社内の公用語を英語にし、外国人を雇うことから始めたいと思う。小さな変化が、大きく広がることを願って。こんな悲しいニュースが笑い話になるように願って。


今年は社内メールも英語にしようかと本気で検討している。追い込まれないと結局人は何もやらないから。