接客業は卒業したよ! あけすけビッチかんどー日記!

接客業歴15年のかんどーが綴る、あけすけな日記。人生はチキンレースです。一歩引いた方が負け。たまに小説を書きます。お問い合わせはsaori0118ai2あっとまーくやふーめーるまで。

わたしが仕事の「さぼり癖」を治した方法

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こんにちは、かんどーです。



わたしは仕事中、耳を澄ましています。真に相手の言いたいことを聞き取ろうとするとき、理解力よりも雰囲気を察することのほうが、早くわかることがあります。接客でも、営業でもそれはおなじです。


丁寧な接客、というのは、もしかしたら「丁寧に耳を澄ましてお客様の心の声を聴いた接客」のことではないかなと思います。なるべくそうできるよう最善の努力をします。



わたしにとって仕事は大切なものです。絶対に失いたくない。特に「自ら動いて働く」という感覚は、完全歩合の仕事をしたり、起業したりしてやっとつかんだ尊い感覚です。それまで時給で使われていたときに感じていた独特の「仕事中に時間をつぶす」という感覚は、人生でもう二度と味わいたくないです。


仕事で時間をつぶす、というと、どういう人を思い浮かべますか? 後ろに手を組んでぼーっとしている人ですか? スマホをいじって、おざなりにパソコンの前に座っている人ですか? タイムカードを押したら営業行ってきますと言って喫茶店でマンガを読んでいる人ですか? 

実は、上記のように「わかりやすく」仕事をさぼる人は少ないです。たいていの人は、自分でも気づかない程度に力を分散させるのです。適度な分散は肩の力の抜けた良い仕事につながりますが、抜きすぎてしまうと、もはやどこが自分の起点なのかがわからなくなります。



接客業での「周りにわかりにくい」仕事のさぼり方をひとつご紹介します。時給で働いていたときのことです。

周りにわからないように仕事をさぼる

…その日はとても眠く、早く帰りたいと思っていました。早く帰りたいけど、18時にならないと帰れない。早く18時になってほしい。時間が速く過ぎればいいのに…。そんなとき、売り場にあるお客さんが現れました。その人は明らかに「買わない」人でした。でも、とても感じのいい人だったのです。店員のわたしに知識を求めすぎないし、商品について一つ話すと、次は世間話をしてきます。適度にフレンドリーで、適度に商品のことを話してくれるので、周りから見たら「一生懸命接客をしているように見える」のです。


共通の話題を見つけ、話に花が咲きました。あるスポーツの話題でとても盛り上がり、商品の話をしつつ、そのスポーツの話をくりかえします。また見に来てください…と見送ったときは、17時50分になっていました。あと10分で帰れる…! わたしは報告書を書きに行き、18時にタイムカードを押して帰りました。

「これは使える…」

そんなふうに思いました。それから、眠い時は「感じよく世間話をしてくれそうなお客さん」に声をかけ、30分くらい話をするようにしました。毎日8時間働くわたしにとって、30分がアッという間にすぎる感覚は最高でした。

何より、お客さんと話していることは「仕事をしている」とみなされるのが便利だったのです。時折笑い声があがり、気持ちよくお見送りして、見込み顧客を一人増やしている…そんなふうに見えるのです。実は全然違うのに。とても巧妙な、さぼりなのに。

 

この巧妙なさぼり方を覚えてしまってからのわたしは、仕事はいかに時間を早く過ぎさせるかが肝要だという、雇用主からしたら最悪な気持ちで働くようになってしまいました。

事務仕事で、馬鹿みたいに丁寧に書類をつくる、というのもこのさぼりに含まれます。これもたまにやりました。

さぼり癖が治った

そんなわたしですが、時給で働くのをやめ、完全歩合の仕事に切り替えたとき、世界が違って見えました。

仕事は時間をつぶすのではなく、限られた時間の中でどれだけ稼げるかというゲームに変わったのです。このゲームが最高に面白かった。

 

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飛び込み営業をしていた頃のことです。わけもわからず始めた飛び込み営業でしたが、やっていくうちに成約自体は取れるようになりました。そうなると、もっと効率よく数字をあげる方法を考えるようになります。人に動いてもらうとか、周りに協力してもらえるように根回しをする、などです。


仕事に慣れてくると、わたしはお客さんだけでなく、社内での振る舞いも変えて行きました。

まず、早めにオフィスに出勤すること。

事務の方は早い時間に出勤しています。営業は少し遅い時間に出勤する会社でした。ギリギリに出社しても良いのですが、飛び込み営業を終えて帰社するのは夜の8時過ぎ。この時間だと事務の方々は帰ってしまっていることもあります。

 

ですのでわたしは、朝早めに出社して、自分の営業を助けてくれる事務の方にあいさつにいくようにしていました。会社にかかってくるわたしあての電話を、なるべく感じよく取り次いでほしいからです。この人のお客さんを大切にしたい、と思ってもらえるように真摯に接しました。


クレームが来てしまったときにも、嫌いな人のためには謝りたくないものです。そんな電話が来てしまったとき、一次対応として電話で謝罪の言葉を出してもらえると、二次対応でわたしが謝罪に行ったとき、解決が早いです。一次対応をしてくださる方への礼節を絶対に忘れないようにしました。

この時間を作ることによって、事務の方がグッと協力してくれるようになりました。結果として終業前に書く営業日報や成約した書類のミスも教えてもらえて、その後のミスが減りました。ますます営業に集中できるようになりました。


そして、営業部内でも、朝礼ではきはきと話し、会社全体の雰囲気が「やる気」に満ちるように意識しました。笑いを取ってくれる営業マンもいて、手早く済ませる朝礼ですが、いつも明るかったです。

朝礼が終わったら、一番に会社を出ます。一件でも多く回りたい気持ちを行動で表します。そして、会社を出てまず襲ってくる「どこかでさぼりたい…」という気持ちを、行動でもって押さえ込んでしまうのです。はきはきと話していた自分のイメージと、元気よく会社を飛び出した自分のイメージで、最初の営業先まで足を動かすのです。


そこからは、ただひたすらに飛び込み営業を続けます。前日のうちに、どのエリアを何時間かけて飛び込むのかは決めておきます。あとはその通りに行動するだけです。

〇件成約を取ったら昼食、と自分で決めておき、それ以外の時間は休みません。一日の目標、週間目標、月間目標を達成できるように逆算して常に数字を意識します。こうなると、話の長いお客さんも「見極める」必要が出てきます。ただ世間話がしたいだけの人なのか、わたしという人間を見定めているのか…言葉の端々から、契約の意志があるかどうかを読み取ります。また、今後お客さんを紹介してくれるだろう…などの見込みも見極めます。

1分も無駄にはしない気持ちです。この頃からです。仕事中、目の前のお客さんの声に耳を澄ますようになったのは。

 

成約の精度を上げるため、成約後のキャンセルやクレームで時間を取られてしまわないようにするため、わたしは自然と、よく耳を澄ましてお客さんと話をするようになったのです。

 

何件成約しようが同じ時給で働いていたら、この感覚に気づかなかったと思います。我ながら不純ではありますが、若い頃のひねくれた性格のわたしにとって、完全歩合制の仕事というのは、自分を変えてくれるまでに刺激的で楽しい仕事だったのです。



成約が取れていないのに時間が過ぎていくのはとても怖かったです。成約ゼロなら歩合ゼロですから。

今日取れなかったら、明日も取れないかもしれない。負の連鎖が起こらないようにするためには、毎日を勝ち続けるのが一番早かった。だからわたしは、朝早く出社し、気持ちよく挨拶し、会社に戻るとまた周りに元気に挨拶して、事務処理を行い、翌日の営業計画を立てていたのです。自分の心が折れてしまわないように、明日も勝てるように…と工夫したのでした。

さぼり癖は治せる

完全歩合制の飛び込み営業をする…というのは少々荒療治でしたが、さぼり癖は治りました。さぼっている自分を冷静に見て、好きになれないこともわかりました。

完全歩合の仕事をしないまでも、一生懸命仕事をしているときの自分が好きになれれば、さぼりたい気持ちは起こりにくくなります。

料理をしている人の真摯な姿に心を打たれることって、ありませんか? 

 

真剣にラーメンと向き合うラーメン屋さん。目の前で料理をしてくれる鉄板焼きのお店。カウンターのお寿司。

 

彼らは料理を作っているあいだ、スマホをいじったり音楽を聴いたりしないですよね。目の前の食材に集中している。その姿は、自分のために心を割いて、料理を作ってくれていると実感できる。あの瞬間、わたしは仕事の美しさを目の当たりにします。わたしはこんなふうに頑張れているだろうか? と省みることができます。大切な時間です。


どんな仕事でも、真摯に取り組めば楽しさが必ずあります。つらい時期、うまくいかない時期があっても、真摯に取り組んだ時間は着実に蓄積されています。それは、がんばってこなかった人との大きな差になります。

 

今は面接をする側になったわたしですが、わたしは学歴・経歴を気にしません。そんなことより、今までの仕事で、真摯に頑張れたかどうかを聞き出します。頑張れていた人ならそのままの姿勢で仕事をしてもらいます。まだその感覚がわからない人には、まずその感覚を伝えます。伝え方は難しいですが、うちの仕事は自主性が必要なため、すぐに感覚をつかんでくれるスタッフがほとんどです。

これ、ベンチャーで働く大きなメリットだとわたしは思っています。四六時中仕事のことを考えるような仕事のさせ方はブラック企業だ!   などと言う人もいるので強要しませんが、気付いた人は自然と仕事のモードが変わっていきます。その瞬間に立ち合えることが今のわたしのよろこび…なんて言ったらなんか偉そうですが、直接指導していなくても、うちのスタッフがそうなっていく姿を見ると嬉しくなるのです。


わたし自身は、今は肩の力を抜くように気を付けていますが(起業してずっと張り詰めていて死にそうになったので)、人生で一度でいい、真摯に仕事に取り組んだ時間を経験してほしい。ある程度の期間、仕事のことを真摯に考えて生きた時間というのは、後々になって、窮地に立たされた自分や周りを必ず助けてくれます。

大変なこともあると思いますが、死なない程度にがんばりましょう! 真剣に取り組むと、仕事の意外な面白さが見えてきます。これは本当ですよ☆


それじゃあ、また明日!



☆今日の過去記事☆

 

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