接客業は卒業したよ! あけすけビッチかんどー日記!

接客業歴15年のかんどーが綴る、あけすけな日記。人生はチキンレースです。一歩引いた方が負け。たまに小説を書きます。お問い合わせはsaori0118ai2あっとまーくやふーめーるまで。

自分で起業した社長と二代目社長はどっちが大変?

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こんにちは、かんどーです。


こんな記事を見かけました。

ikebukuronisumu.hatenablog.com

 

 

あー…なるほど。二代目社長って楽そう! そんなふうに思っていた時期がわたしにもありました。具体的に言うと、起業する前までそう思っていました。自分が社長の息子で、親がつくった会社を二代目として受け継いで、「若社長!」とか呼ばれつつ適度な苦労をして、やがて社長としてあとを継ぐ…。こんなストーリーはイメージがしやすいものです。

「楽そう」とは思わないけれど、出世競争無しで100%社長になれるというのはうらやましいものですよね。


でも、今は真逆の思いです。

二代目社長ってなんて大変なんだろう…と思っています。実際に何人もの二代目社長と関わって、考え方が変わったのです。


言及させていただいた記事には、このような内容が書いてあります。


ところで僕は、2代目の経営者って楽ちんでいいなーって思ってます。理由は、物事を成し遂げる時に最も大変なのは、0を1にすることであり、1まで行っちゃえばあとは2,3,4・・・といけちゃうものだと思っているからです。なので0を1にする作業がまったくない2代目の経営者が羨ましいなと思います。

 

 

0を1にする作業がまったくない二代目の経営者がうらやましい。

 

ここ! ここです。

実際にやってみると痛いほどわかるのですが、0を1にするのは確かに大変。しかしこの「0を1にする段階で学べること」が非常に多いのが起業です。0を1にしている時間は、その人にしか描けないストーリーを自分の手で描いている実感があります。1が実ったとき、「どこがターニングポイントだったか」を考えれば起業を成功させるノウハウ本が一冊書けます。


さて、起業というギャンブルになんとか勝ち、0を1にしたベンチャー経営者。ここから快進撃をとげる社長もいますが、ほとんどの社長は0からつくりだした1を、大切に守り続けることになります。小さな居酒屋を出して、常連さんができ、地域に愛されるお店を20年くらい続けるイメージです。

1を2にしたり3にするのは、0を1にするのとはまた別の力が必要なんです。1はそう簡単に、2にはならない。たまたま手を出したビジネスが飛躍力のあるものだと、得られる1がものすごく大きくなることはあり得るけれど。実際ウチも小さな1を大事に守っている会社です。


さて、二代目社長。

0が1になった状態で事業を承継するわけです。これは非常に美味しい話のように思えます。1を勝ち取りに行く「営業」「会社の基盤づくり」「経営の安定化」が整った状態からスタートできるからです。周囲からは、ゲームでいうところの最強状態からのスタート、みたいに見えるかも。


しかし、何人かの二代目社長と話して感じたのは、圧倒的な「苦労」でした。まず、世間の目との戦いがあるのです。


世の中の人は、なぜか起業して社長になった人をすごいと言います。そして、親から事業を継承した二代目社長は、やって当たり前、できて当たり前みたいに思っています。自分はどちらも経験したこともないのに、です。


おそらく、良い家庭で育った…などの前提を勝手に推察するのだと思います。頭も良いだろう、人柄も良いだろう、能力も高いのだろう…と。ベンチャーの創業社長は偏屈な変人も“アリ”なのに不思議なものです。

 

 

この風潮の中、真面目な二代目社長がとる行動は、こうです。

「誰にも文句を言わせないくらい必死で働く姿を見せる」
「会社のことを考えて考えて考え抜く」
「親から受け継いだものを必死で守り抜く」


わたしみたいに、ちょっと会社が安定してきたから海外旅行に行く、なんて軽々しい行動は絶対にしません。冠婚葬祭以外では休まない二代目社長を多く見ています。

他者が自分を「あいつは恵まれた奴だ」と言うのを見越して、それを超える努力でもって周りに自分を認めさせるのです。そこらへんのブラック企業がかわいく見えるくらいの労働をしている人もいます。

そして、それを「当然のこと」という涼しい顔でやりとげているのです。(それを自然にやっているのか努力でしているのかは、本人にしかわかりません)

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起業した社長は、ある意味そこは背負い過ぎてません。自分で起業したのだから、出発点が自分。万一失敗したって、0の自分に戻るだけ。割り切ってやればこれほど効率の良い仕事はありません。また、自分で始めた事業ですから、その業界のことをある程度知ることになります。自分で探っていった知識って、人から教わった知識よりも血肉になりやすい。

つまり、起業して社長になっちゃった方が、やってるうちにスキルが身について、その後の経営がしやすいんです。

また、起業した社長は、専務や取締役を自分で選んでいます。ある程度自分のことをわかっている人の中で仕事をしています。社長は孤独だ、なんて言いますが、取締役の数人と強固な絆があれば、そこまでの孤独にはならない。(お金の部分だけは、社長が一番苦労するし孤独です)



対する2代目社長。

大学を出て、まずは社会勉強で一般企業に就職。そこで数年間社会勉強をして、親の会社へ入るわけです。最初は平社員からスタートさせることもありますが、周りはみんなその人が「次期社長」だとわかっていますから、同僚との本音の付き合いとかはまず無理。人間の下心と汚らしい部分を見せつけられながら日々の仕事をします。

そして、先代社長が選んだ役員たちと仕事をします。中には自分とは馬の合わない人もいるでしょう。しかし、先代の顔を立ててその人とうまくやらなくてはなりません。役員が自分を守ってくれるとは思えないかもしれません。彼らより一歩も二歩も先を読んでいなければならないのです。


そして、社外での付き合い。先代の守ってきた取引先を大切にしなければならないという制約が入る。起業した社長であれば、取引先も自分で全部決めていくのですが、2代目社長はそこも自由に決められません。

先代がやってきたことすべてを承継しながら、売り上げを上げたりコストカットをしなければならないのです。これがどんなに大変なことか、想像するだけで胃が痛くなる思いです。



…いかがでしょうか。2代目社長って大変だということが、少しでも伝わったでしょうか。


起業した社長も2代目社長も、ひとりの人間ですから、ひとりひとり生活も考え方も違います。しかし、同じ規模で事業をやっている会社で比較するのであれば、起業している社長のほうが自由であることが多いです。そして、起業している段階で学べるスキルが自分を助けてくれる。1をキープしている時期はそこそこ楽もできます。世間の目もけして冷たくない。起業して7年も頑張ったのだから休んでいいのよ、なんて言われることさえある。



対する2代目社長は、机上で習っただけで「若社長」となることもあるし、逃げられないし、誰も褒めてくれない。親族一同と会社一同からの重圧や期待につぶされそうになりながらも、努力でそれらを抑え込んで、期待以上の仕事でもって周りと笑顔で接していきます。その生きざまは、辛酸なんてものじゃない、苦労の連続だと想像がつきます。自分に厳しく協調性も持ち続けています。とにかくメンタル強くないと無理だと思う、それが2代目社長。


…たまに、遊んでばっかりの2代目社長もいるみたいですが、それは少数ですw そこまで開き直れる人は少ないのだと思います。


どんな仕事、どんな立場にも苦労があるってもんです。


今回は、起業した社長と二代目社長を比べて少しお話してみました。
わたしは今年もこうして身の回りの話をします。あなたも、あなたのいる世界の話を聞かせてください。


言及元の記事、イケスムさん。イケスムさんが本音を書いてくれたから、わたしも自分の立ち位置からの本音を書くことができました。ありがとうございます。


それじゃあ、また明日!


★今日の過去記事★

出世して管理職になる…っていう仕組みはちょっと違うと思った話。 

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女性経営者って、まだまだ少ない。出産のときどうするかなんてレールはない。 

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二代目社長ではないけれど、社長のお嬢様とかかわったときの話。

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