今週のお題「私のテーマソング」
たまには夜更新。
わたしは若かりし頃、クラブシンガーというアルバイトをしていました。洋楽のカバーを歌うことが多く、要求されるのは「有名どころで盛り上がる曲」だったのですが、どうしても感情移入ができなくて、本当に歌いたい曲を探していました。それで片っ端からCD買ってきて聞いていたら、この曲に出会いました。
今でもたまにラジオでかかります。
Debbie Gibson 「Lost in your eyes」
少女は迷うのですが、結局迷いの中から出られないのです。
答えが出せない、ただ迷いの中にいるようなこの歌が、一瞬で好きになりました。英語がほとんどわからないはずなのに、この歌はわたしの言いたいことと重なってる、そう感じられました。
わたしは今でこそ、自分の意見を少し持つことができていますが、若い頃はほんとに何一つ答えを持っていなくて、それでも「何でもいいから自信持って言ってみろよ!」とか言われて、仕方なく前夜に読んだファッション誌のコラムの内容を自分で考えたかのように話さなければなりませんでした。自分の考えなんてなかったんです。
わたしのまわりには、頭のいい人や、ものを考える人は一人もいませんでした。誰も何も教えてくれませんでした。役所は少ないバイト代からいろんなお金を持っていくし、悪い人がウロウロしている町は物騒で、歩いているだけで心がすさみました。
なにもわからないままに若い時代がただ苦痛だけを心に与えながら過ぎていく。こんなにも人生は苦しいのかと思っていました。
そんな日々の中、音楽や本にはただ「救い」を求めました。この歌もその一つです。歌の解釈は人それぞれですが、わたしはこの歌の主人公を、夢の叶え方も知らない、無知な女性だとイメージしています。
「何も教えてもらえないし、わからない。この世界のすべてがわからない。だから消えてしまいたいのだけれど、唯一そこから逃れるためには、自分の持っている時間すべてを、誰かと愛し合う時間だけで埋めてしまえばいい。不思議なもので、愛の快楽だけは自分をすべての嫌なことから救ってくれると思えるから」
こんなことを考えながらこの歌をよく歌っていました。
※わたしが勝手にそう解釈したっていうだけで、この曲ほんとはそんな意味じゃないですよ!
自分の好きな歌を歌っていい機会では、この歌と、「愛はかげろうのように」この2曲を歌うことが多かったです。
幸いどちらもヒット曲だったので「何でこの歌!?」みたいなことは言われませんでした。オーディションで歌っても好印象。ワンフレーズだけ歌うのにも抑揚がつけやすいので、わたしが常に口ずさむ歌はこの2曲でした。
シャーリーン 愛はかげろうのように
この曲は聴くだけでトランス状態になります。ものすごく深いですよ。
女の本来あるべき幸せを捨てて、娼婦のような生き方をする女性の歌です。とても苦しい。女が、女のために歌っている歌です。(当時この歌の日本語版が、「女風林火山」という時代劇のテーマソングにもなっていました)
クラブシンガーの仕事は、結局時給換算すると食べていけなくてやめました。世の中お金がないと好きなことできないんだって思い知りましたよ。そのほかにも、ここには書けないようないやなことやつらいことがたくさんありました。
ちょっと歌を口ずさむことさえ大嫌いになってしまって、カラオケすら行けないレベルで「歌アレルギー」になっていた時期さえあります。音楽が鳴っていると「止めろ」とキレている時期もありました。完全キ○ガイ…。
まあまあ、気分上げて、いきましょ。
久しぶりに書きたいことがかけた!
それじゃあ、また明日!