こんにちは、かんどーです。
お仕事、してますか? してる人もしてない人にも、それぞれの時間が流れていることと思います。わたしにも無職の時期がありましたし、20代の頃は、望まない無職(クビ)になることがよくありました。
クビになった職場の多くでわたしは仲間はずれやいじめにあっており、正直、クビという事実は「わたしを不幸にするものからの解放」でした。クビになった日はなぜかいつもよく晴れており、青空の色が目にしみました。
クビになった日の帰り道は、いつもと違う帰り方をしました。クビになると、荷物をまとめて出ていかなくてはならないのですが、そもそもその仕事のために取ったメモや、なんとなくロッカーに入れっぱなしになっていた割引券などがほとんどなので、みんなゴミ箱に捨てて、とても身軽になって帰路についたものです。
足取りは軽く、けしてかなうことがないとわかってる夢を見る。奴隷の多くは解放を望みましたが、解放された後の夢は、高すぎる望みだったのではないかと思います。いざ、普通の人として世の中に放り出されると、それまで自分が望んでいた「こんな生活だったらいいな」という生活は、能力が高くないと手に入らない事実に気づきました。
映画や音楽PVのような人生などありえないのです。
それでも、クビになった帰り道は、そんな凝縮されたPVのような夢をうつらうつらと見ながら、ぼんやり空を見て歩いたものです。
食いつなげるかどうかの瀬戸際、逃避だったのかもしれません。次はもっときつい仕事をしなければいけないかもしれない。女は自分の生活が相対的にどうなのかを常に必死で考えます。これからの人生、どうすれば良い生活ができるのかという不安を頭の奥に押し込んで、無理やり白昼夢を見ていました。
わたしの若いころは、白昼夢のようでした。
どこにいてもはじきだされてしまうから、自分自身で脳内を麻痺させるよう、夢を見たり都合のいい解釈をしたりして、何一つまっすぐにとらえられない状態になっていました。ニュースさえ意味がわからない。女にとっては目の前にある自分の生活が大事で、ニュースを見ることで世界が変わるとは思えなかったのです。
わたしは白昼夢を本当の夢だと思って、歌の世界を志したり、海外へ行ったり、いろいろやりました。それらはすべて、うたかたの夢の時間をわたしに与えてくれました。ただし、実質に即さない。今のわたしがあの頃の自分に何か言えるのなら、もっと早くからインターネット繋げとけと一言言いたい。さらに昔に戻って子ども時代の自分に何か言えるなら、難病というものの存在を教え、人を治す医療という世界を教えたい。
わたしが勝手に世の中の「必要」を2つピックアップして良いなら、それは「命」と「発展」です。つまり、医療とコンピュータが今の世代にマッチした仕事だと考えています。
もちろん他にもビジネスはあります。しかし、この2つの仕事の「必要濃度」が高いように思えるのです。
ああ、どうでもいいことを書いてしまった。
そんな白昼夢から、いろいろあって抜け出せたわけですが、今もたまに思い出します。あのふわふわとしてつかみどころのない若い自分の生活を。若さを全力でどぶに捨ててきた人生を。
若い時代に何かに一生懸命になった人には、深みと能力がきちんと備わります。わたしにはそれがなくて、だから今も生きづらくて仕方ないわけです。なんとかなっているように見えるかもしれないけど、実はどうにもなってない。やり過ごしているだけ。
深くは聞かないでほしい。話してもどうにもならないから。
わたしを癒すもののなかに、繰り返される仕事の日々がある。これに気づいたとき、仕事は疲れるものという概念がきれいに取り払われた。
ある一定期間、ろくに休みを入れずにガンガン働く。夜は疲れてストンと眠りに落ちる。同時進行で2つ、3つの仕事を抱える。この生活が続くと、肉体が疲れます。この疲れを癒そうという本能が働いて、温泉に入りたくなったりして、空き時間に日帰りスーパー銭湯とか行くわけです。ぐったりとなってただ体の疲れをいやすわけです。
何を食べたのか覚えていないくらい疲れているわけです。そんな毎日のアクセントに、たまに肉とか食べるわけです。日帰りスーパー銭湯のあとに焼肉とか、そんな感じです。そういう日々の中、わたしは人として生きる喜びを感じます。
働かないことによる回復や癒しももちろんあるのですが、働きながら癒されるというこの感覚は、わたしからするとかなり効率が良いのです。だって日々、営業や接客や雑務に追われながら、それを効率よくこなすスキルも身につけられて、さらに「適度な労働による適度なストレス」でうまく人として機能しているわけです。
忙しい人が充実している理由って、ちゃんと考えたら面白そうです。暇な人よりも動ける体になっていて、体力、精神力の自然回復力が高いんですよね。
…若いころに戻りたい、なんて願っても絶対にできない。白昼夢に逃げ込めるほど若くもない。そんなわたしは、定期的に仕事に没頭してスーパー銭湯に行って肉を食べるというとても理にかなった生活をして、自分を取り戻しています。
いちばんの癒しは旅だけど。
旅は「そのままわたしがいなくなっちゃう」という白昼夢とセットになっているので、家を出るときにふりかえって、自分の家を頭に焼き付けるという変な行為とセットになっているのです。もうすこし気軽に旅に出たいな。
適度な仕事は人を健康にしているのかもしれない…というお話でした。
それじゃあ、また明日!
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