こんにちは、かんどーです。
極上の小説を見つけてしまいました。
これっ!!!
読んですぐ走りたくなりました。
ランニングのモチベーションを一気に上げてくれます。走ったことがない人も走ってみたくなるし、日ごろから走ってる人は共感して泣いちゃうかもしれない。極上のマラソン小説です。
表紙でわかりますが、この本は3人の女流作家が1篇ずつ「マラソン」をテーマにした小説を書いている本です。
三浦しをん、あさのあつこ、近藤史恵の3人です。
三浦しをんは「風が強く吹いている」で駅伝小説を書いているし、近藤史恵は自転車ロードレースのガチな小説を書いています。読む前から期待大だったこの本。
■読みどころ
3篇それぞれ別のマラソン大会が描かれます。1つは国内の有名なマラソン大会、あとの2つは海外マラソンです! 海外マラソンの魅力を充----分に感じられます! 本から風吹いてきたわ。
三浦しをん「純白のライン」は、唐突な始まり方をします。「おまえ、明日フルマラソン走ってこい」みたいな無茶ぶりから物語がスタートする。普通に考えたら、トレーニングなしでフルマラソンなんて絶対無理なんですけど、ちゃんと筋の通るストーリー展開になっています。
あさのあつこ「フィニッシュ・ゲートから」は、一番冷静にマラソンを描いているかもしれない。マラソンを「走る」人と「シューズを作る」人。そこに秘められた物語をひもといていく。ランニングシューズって美しい。
近藤史恵「金色の風」は、いろんな要素で個人的に大ヒットでした。スポーツをする人の心理がものすごく明確に描かれていて、そこに無理がない。近藤史恵さん、何回かオリンピック出てるでしょ? ってくらいスポーツに密着して、スポーツが好きな人の心を躍らせる。そしてこの著者は「女の敵は女、だけど女の味方もまた、女」という核心をついた人間関係をものすっごく上手に描く。
走ることは、人生。
走ることは、希望。
走ることは、快楽。
いろいろ言えるんだけど、三者三様の「走ることは」の先に続くメッセージが伝わってくる名作です。
「なんか走るのめんどくせー」と思ったらチョイと取り出して読むと走りたくなりますw スポーツしたくなります。その先に希望と快楽が待っていることを、脳にたたきつけてくれる。
おすすめっす!
それじゃあ、また。
★今日の過去記事★
近藤史恵さん大好きです。「旅」がテーマのこれも名作でした。
近藤史恵さんはいろんなタッチの小説を書きます。
そして…
「この短編集に飛鳥井千砂さんがいたらなあ…」って思ってしまいました。職業に対する取材能力がとても高くて、大好きな作家さん。また復活してほしいなあ。