こんにちは。美容院でトリートメントをしたら髪がツヤツヤになった、かんどーです。
すっごい面白い本を見つけました。
芦辺拓著「ダブル・ミステリ」!
その名の通り、ふたつのストーリーがひとつの本におさまっている。しかも、表から読み進める縦書きの物語と、裏から読み進める横書きの物語。
どっちから読むのかしらん?
注意書きを読む。
どちらから読んでもいいですよ。
両方読み終えたら袋とじを切って
中にある物語を読んでください。
まさかの袋とじ!!!(そしてドトール)
これ、マジ?
まじまじぱーてぃ?
袋とじってエロ本だけじゃないんですね。新刊特有の紙のにおいをフンフン嗅ぎながら、どっちから読むか考える。
表には「正統派のミステリを楽しみたい方は、こちらからどうぞ」と添え書きされている。
裏には「一味違う推理を楽しみたい方は、こちらからどうぞ」みたいな挑戦状が書かれている。
…誘惑に負けて裏から読みましたヨwww
「ノンシリアルキラー」。ノンシリアル? どんな意味なのだろう? 辞書引いて出てくる意味じゃないよね…?
裏から読んだ横書きのミステリは、それはそれは読みやすい物語で。むしろ横書きのこういうミステリ、もっとあっていいんじゃない? と思えるくらい身近で。ブログ書いてる人ならこっち側から読んだらいいと思った。
横書きの文章は、どこか身近に感じる。
それは、世の中にある独白形式のブログがそういう形を取っているからだと思う。わたしも今、横書きの文章を打っている。これを書いているとき、心は静かで落ち着いている。気取らない時間である。
しかしまあ、身近であるというだけで、ちゃんと人は死ぬし、ちっとも「ほっこり」なんてしない。辛口ミステリ。
★
ここまで読んで、表側からもうひとつのミステリーを読み始めます。表から始まるミステリーの方が、ページ数的にちょっと読み応えがありそう。
「月琴亭の殺人」
月琴亭。どこ?
こちらはよくある出だし。男が「島に呼ばれる」ところからスタートするwww この「よくあるミステリー」の構造が…おっとここからは話せない。
もう「島に呼ぶ」時点でアレだよね、テンション上がりまくるよね。人生で一度は「島に呼ばれ」たいものだと心から思う。誰か島に呼んでくれ、頼む。
……とりあえず、面白すぎるんで、もうここまでで感想書くのやめます。
書店では売り切れているところもありました。早くほしかったので、わたしは密林でヤシの木の周りを8の字に回ってクレジットカードで手刀を切ったら、この本が落ちてきました。(いろんなネタをぶっこみたいけど盛り込めないかわいそうな子www)
久しぶりに、興奮する本でした。読了してしばらくがたがた震えた。読んでる最中も、物語の中にいるみたいだった。ふだんミステリーは難しいと思っているわたしがこんなにのめりこめたのは、「優しい横書きの文章」から読み始めたことと、「本自体に仕掛けがあること」。
袋とじを切る
というたったひとつのステップで、一気に本の中に入っていけたんだ。
正直、今まで読んだ本で一番ワクワクした。好きな作家さんにゴメンナサイって謝りたいくらい、この本の仕掛けに心酔した。お風呂の中で読んでたんだけど、浸かりすぎてたらのぼせちゃって、ラストは素っ裸、脱衣所で立ちながら読了するくらい面白かった。風邪はいまのところひいていない。
袋とじはこんな感じ! 切る前に写真撮ろうと思ってたけど、待ちきれず切っちゃったの図w
あらゆる意味で、2016年の年末に出た本って感じだったよ。もし今、誰かに一冊だけミステリーを勧めるならこれにするな。
それじゃあ、また!
★今日の過去記事★
思い出すと、この本面白かったなあ。読んだ本をブログに書くのはとてもよい。
普段は軽めに読み始めたいんだよなあ。
軽めに読み始めさせつつきちんと伏線()近藤史恵さんが好きすぎてつらい。