接客業は卒業したよ! あけすけビッチかんどー日記!

接客業歴15年のかんどーが綴る、あけすけな日記。人生はチキンレースです。一歩引いた方が負け。たまに小説を書きます。お問い合わせはsaori0118ai2あっとまーくやふーめーるまで。

車が一台も通らない信号を守れと声高に叫ぶ人は何を守っているのだろう

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セブ島にも交通渋滞はある。主にセブシティが渋滞するのだが、ここ何年かでたくさんの信号ができて、渋滞によるストレスがすごいのだとそこに住む人に聞いた。

 

それでもまだ、信号のない場所を適当に渡るのが普通になっている。車が途切れたタイミングを狙って渡るのだ。そもそもセブでは車がガンガン飛ばしてる通りであっても物売りが普通に歩いていたりする。危ないよなぁと思う反面、好きな場所で道を渡るという考え方は嫌いじゃなかったりする。(実際行くとわかるけど、かなり危ないよ!)

 

 

 

かなり前のことだが、何らかの欠陥でまったく車が通らないのに信号が設置されている場所があった(日本らしい・笑)。

 

わたしはそこを通り慣れているので、その信号が意味を持たないと知っていた。そこを通る人は、皆誰もいないとその信号は「無いもの」として扱っているのを知っていた。

 

その信号まで10メートル。サラリーマンがやはり信号を無視して渡っていった。わたしも左右を確認して渡った。すると……

 

 

「赤信号でしょう!」

 

 

叫ぶ60代くらいの女性がいた。格好からするに、地元の人ではないのだろう。娘か息子の家に久しぶりに遊びに来たのだろうか。都会の人らしいイントネーションだった。ああ、きれいなイントネーションだなあと思って。

 

「どうもありがとう、でもここ、車が来ないんですよ」

 

わたしが答えると、

 

「赤信号でしょう!」

 

そう叫び返してきた。大きな声を出せるものだなあと思いながらも、面倒くさくなったので一言で終わりにした。

 

「そうですね。あなたは守ったらいいんじゃないですか」

 

誰もいない、車も通らないその道で、その女性はずっと標準語のきれいなイントネーションで怒鳴り続けていた。わたしは返すのがめんどくさいのでかがんで自分の尻をペンペンと二回たたいた。日本ってバカばっかりだ、とわたしは思っていた。

 

 

 

こういう小さな積み重ねがたくさんあって、わたしは自分と日本の相性の悪さに気づいていった。例をあげればきりがないけれど、やっぱり「人」なのかなあと思う。60代の女性がもしも、「危ないわ、赤信号よ」と言っていたらわたしは知らない人に対して「お尻ペンペン」はしなかったと思う。「ああ、心配してくれてありがとう」と返していたと思う。

 

 

日本人の固すぎる性質が、わたしはどうしても好きになれない。

 

時間を守るのも約束を守るのも良いことだとは思うけれど、それ以上に大事なものってあるんじゃないだろうか。

 

 

自分のその日の気持ちだったり、なんとなくの風向きだったり、今日これ食べたいっていう気持ちであったり。(そろそろ脳内がアジアになってますな)

 

 

少なくともわたしは、車が一台も通らないところで信号を守りたくはない。

 

 

誰が何と言おうと、それは時間の無駄であるし、信号を守っていれば車にひかれないという根拠のない自信となり、余計危険だと思うからである。

 

 

自分の目で見たものを信じたい。ただそれだけだ。