日本がサービス大国だったなんて
もう過去の話だ
日本は安いお店でも、きちんとお辞儀をしてくれて「お客様、お客様」って言ってくれる? そんなこともうないよ。ちゃんとお店を選ばないと、とんでもない目に遭うよ。
わたしは接客業をしているので、飲食店、ホテル、エンターテイメント施設さまざまな場所の接客を、見ているわけではないけれど、細かく気になってしまう。直接文句を言うことはほとんどないし、ネットにあれこれ書くこともまずしないけど、やっぱり「サービス悪いなー」「これは無いでしょ」とかよく思う。
わたしが変わったのか世の中が変わったのか、良いほうに変わったのか悪いほうに変わったのか、もう少し様子見だが、とにかく「日本はどこへ行ってもサービスが良い」は幻想。
数年前、「しまむら土下座事件」があった。また、店員に対して横柄な態度を取っているとテレビで報道までされてしまうようになった。どこにでもカメラがあるから、残ってしまうのだ。
また「食にこだわるがんこオヤジ、かっこいい!」的な風潮も出てきた。ちょっと極端すぎますが、参考までにこれを。こだわりすぎてるラーメン屋さんが、ラーメンの食べ方にいちいちうるさいというネタのような記事です。
この記事、少し前ならありえない事件だったと思うのだが、店員側がヘコヘコする風潮が嫌になって、一度でも店員をしたことのある人の怒りが噴出している時期にぶち当たったんだろうね。この記事は「賛否両論」という形で、「こういうオヤジがいてもいいじゃねーか」というあいまいな結論で終わっている。
そして、この風潮が、良くない方向へ来ている気がするのだ。
お店の方針だから、ウチは個人経営だからと、本当に大切にすべき接客のポイントを見事にはずしてしまっているお店が多い。乱暴な物言いがだめとか、敬語を覚えなきゃだめとか、そういうことじゃなく「お客の心をつかむ接客」をわかってない人がそのまま「偉そうな態度」だけを身に着けてしまっているなというのが正直な感想。
あのさ、ダメだよ。
遊びでやってんならさっさとやめてくれ。それか、思い切ってぶっきらぼうにしちゃってくれ。何て言うか、「接客業なんできちんとやってますよ、文句ありますか」みたいな態度の人が多い。
敬語はきっちり使ってくるけれど、肝心なときにお客の方を見てない。別にじっと見ててほしいわけじゃないけど、友達が何人か遊びに来てたらなんとなく目を配るでしょ、そういう感じでいい。これは出来る人とできない人がいるから、できないならできないで、言われてからやるので構わない。ただ、ニュートラルな状態でやってほしい。
たとえば「おしぼりいただけますか?」とお願いした際「ほら、持ってきてやったぞ」みたいに持ってくる人。あれは違うと思う。普通でいいんです。「はい、おしぼりどうぞ」みたいな。
すべてにおいて「ほら、接客してやったぞ」みたいな接客って正直透けて見える。最近それがものすごく気になる。っていうか、それやられると超しらける。素の状態で不慣れなのとは違って、あえての不遜な態度っていうのかね。「ウチは味で勝負してますから。あんたらが味わかってるかどうか、見定めるのはコッチですから」みたいな。だったら最初から言えよっていうね。速攻帰るわ。
どの店にも言えることだが、店員が自分の世界に入ってしまうのは、たまにだと結構面白い。店員さん同士のおしゃべりもわたしは気にならない。
ただ、一応お客がいるときは、お客が居る状態のフローで店を回してほしい。「まるでそこにお客など居ないもののように傍若無人に振る舞う」のはあくまでそれをお客側が望んだ場合にのみ有効なのであって、初めて来た客や二回目くらいの客にはちっとも良い印象は与えない。
ただ、たまにいますよねw あえての無視が快感っていうお客さんw そういう人に「あえて」するのはイイと思う。
「今日忙しいから勝手に飲んでてー!」
みたいなほったらかしw これは後からネタになるのでいいよね。でも、それをネタにできないくらいしかまだその店に来たことがない客にそれやるのはダメだよ。
ただね。安い店でそれをするのは経費削減(店員さんが人数ギリギリで回してて、世間話をしてる暇もなく動いている)のためでもあるし、客はそれを察して、一見客であっても雰囲気を察して動いたほうが良い。安くてうまい飯と酒にありつきたくて来たのだろうから。
しかし、高い店で目も合わせないってなんだ。
サービス料ちゃんと取っといて、肝心のサービスは「その日によって出たり出なかったりします」じゃダメだろ。毎日出せるようにしとけ。
とにかく、客の心もつかめないくせに店員が「偉そうな態度」を取るのはダメだ。お茶目に偉そうな態度を取るのは、ある程度お客の心をつかんでからだよ。
うれしいと、お客さんってこんないい笑顔するんだよ。
今日はそれだけ。また明日!