話はそれからだ。
こんにちは、かんどーです。3月からセブ島でたこ焼き屋をやります。レシピ作りから材料の選定、味の安定化まですべて自分でやります。
料理は段取りと器用さが必要だ。しかし「たこ焼き」と限定してしまえば、時間はかかっても技術、段取りなどは習得可能なことだと思っている。
さて、飲食店をやりたい、飲食の道で食べていきたいなら、味がわからないと話にならない。
食べ物とはとても繊細で、気温、湿度、保管状態、素材の状態によって味が微妙に変化する。たこ焼き一つとっても、生地の味がダメだったら、どう焼いてもただの小麦粉を焼いたものにしかならない。
おいしい生地を仕込んで、それを最良の状態で焼き上げることによって美味しくなるのである。そのためには、生地の状態で舌の上にのせて、味を確認するくらいのことはできないとダメである。
その際必要な条件がいくつかある。
・タバコを吸っていない(吸っていても天才的な料理人がいることは認める)
・辛すぎるものや熱すぎるものを食べない、舌を健康な状態に保っている
・体脂肪率を男性なら18%以下、女性なら23%以下に保つ
タバコを吸わないことと、辛いもので舌を麻痺させないことは当然のことだが、体脂肪率についてはあまり言及されない。
わたしはこのことを、看板のないお寿司屋さんの大将から聞いた。大将は筋肉質で、体脂肪率は1ケタである。太ることは自分に許していないそうだ。
ちなみにこのお店の大将です。
体脂肪率と味覚の相関は実際に調査もされていて、「体脂肪率が上がるにつれて、うまみの味覚感受性が下がる」と実験結果でも出ている。うまみ、とはアミノ酸が織り成し、舌へ繊細な信号を送る物質の集まりと考えれば良い。
「あえてのジャンク」はありだが、うまみを感じることが出来なくては、味に最後のキメを加えることが出来ない。わかる人にインパクトを残せないのである。
それと、嗅覚。体脂肪率が上がると微妙なにおいの変化が分からなくなるそうだ。これは大将の感覚のみであり、裏付けなどはないのだが、大将のつくる繊細な日本料理、そして寿司が脳天を貫くほどに美味しいので、これはあるだろうと思っている。
大将はそれらのことを体で学んだのか、自分の体験として話してくれた。わたしが飲食店をやることを話すと、真っ先に「今、体脂肪率どのくらいですか」と聞いてきた。
「23%くらいです」と答えると、
「体脂肪率が上がると、味がわかんなくなるんですよ。だから僕は絶対に10%くらいに保つようにしていますね。かんどーさんは女性ですから、あまり落とし過ぎても今度は体を壊してしまうから、今くらいでキープしてください。たぶん今は大丈夫なはず」
と言われました。作る技術も大事だけれどそれは鍛えることができる。でも、味がわからない人が作っても絶対に美味しくできないからだそうです。
確かにわたしも、一時期体脂肪率が28%くらいだったときは、食べ物の味がよくわかっていなかったです。美味しく食べているんだけど、細かな味付けに舌がついていかない感じがしました。味の素やタレなどで味をごまかされると、騙されてしまう状態でした。そして、よく食べ過ぎて太っていました。
今は、味の素がどのくらい入っているかも舌で判断できるし、塩気が強すぎたり弱すぎたりするとすぐにわかります。定期的に美味しいお店に足を運んで、舌の状態を確認することも大事かもしれません。
わたし自身、プライベートでは「食は雰囲気含めて楽しいかどうか」だと思っているし、特別味にうるさい人ではないです。でも、フレンチを食べに行ったときなどに「あれ、シェフが変わったかな、前と味が違う」とかそういうことはわかる舌を保っています。(ほんとは激辛な食べ物好きなんだけど、舌が麻痺しちゃうから最近は激辛食べてないです)
もしも、味覚を鍛えたいのなら、体脂肪率を見直してください。多すぎると味覚が鈍磨になります。「おおらか」なんて言葉があるけど、プロとしてやるなら「味におおらか」なんてダメですよね。
思い出してみてください。美味しいと思ったお店のシェフ、板前さんはけして太っていないということを。(例外があるのは認めます。その道何十年のラーメン屋さんとか、天才シェフとか)
わたしもダイエットうんぬんではなく、仕事として飲食をやる以上、今より体脂肪率が増えないよう生活に気を付けたいと思います。
※修行中のわたし。体脂肪率は22.8%です。(上記の話を聞いてちょっと絞った。20%くらいでキープしておきたいと思っています)
(体脂肪率が高くても感覚で美味しい料理を作る方はいる、ということを重ねて付け加えておきます)
それじゃあ、また明日!