斉藤和義は言った。「やさしくなりたい」と。
斉藤和義は総じて、歩いて帰ろうとか、大丈夫とか言う。能動的に自分が変わろうとする。斉藤和義はえらい。(考察が浅い! というツッコミは一切受け付けません)
斉藤和義と比べて、わたしはたいへんに自己チューである。やさしくなりたくない。やさしくされたいのである。ベッタベタに愛されて、わたしはあなたのことそんな好きじゃないわ、みたいな顔して澄ましていたい。よそへ出かけたときだって、あなたのことなんてわざわざ見たりしない。あなたはわたしのよそゆきの服を見て見とれていればいいわ。あなたがわたしを好きになったんだから。
やさしくされたい。
ベッタベタに愛されて、好きだと連呼されて、わたしが寝たふりをしても「なあ、いいだろ?」とキスで起こされてせがまれたい。ほんとうはわたしもしたかったのだけど、そういう気分じゃないのよと澄ました顔をしながら、いやがっているふりであなたを焦らしたい。
焦れに焦れたあなたが男の本質を吐息の中にひそませて昂っているのを困り顔で見ていたい。「仕方ないわね、いいわよ」とか言いたい。あなたの昼間の顔が完全に消えてわたしだけのあなたになっていくさまをただ冷めた顔で見ているふりをしたい。
ああ、だけどあなたの手にかかるとわたしはもう澄ました顔なんてしていられなくて。あなたの手の動きが、あなたの吐息が、あなたがいとおしくてたまらないから。わたしはわざとあなたがくすぐったいというところに息を吹きかける。あなたの体が反応するのを見るとわたしは、あなたの生を感じて、そうしてわたしはそうしている時間だけ自分が生きていることを強く実感する。
強く強く抱かれて、体も心もあなたと溶けあう頃には、もうすっかりあなたのペースになってしまって、互いに上になったり下になったりしながら快楽へのぼったり、急に高いところから落ちたように快楽の穴に意識を落としてしまったりする。
わたしがあなたの顔を見ていると、たいていあなたもわたしの顔を見ていて、それがたまらなく愛おしくて、ああ、わたしたち愛し合っているんだって再認識して、手も足も腰も唇も本能のままに動いていく。
ふたりで溶け合ってから眠るとき、わたしはとても深く眠る。
朝になると「良く寝ていたよ」と言われる。わたしは「そうかしら」と澄ました顔をして、また昼の顔に戻っていく。
……ってな感じになればいいんですが、実際のわたしは自分が男を追いかけてばっかりっすwww
斉藤和義が関係なくなってしまったwww サーセンwww