こんにちは。アドセンスを停止されている貫洞です。
今日は、人生で初めてクレーム対応をした話を書きます。
わたしは一時期コンビニの早朝バイトをしていました。
その後、お金がなくなったので、同じコンビニでシフトを増やしました。早朝5時から夕方17時までの通しというシフトを強行していました。そのシフトだと、ピークと呼ばれる混み合う時間帯が2回あります。朝の8時~10時と、昼の12時~13時です。朝ピと昼ピと呼ばれるその時間帯、特に昼の1時間は戦場でした。
わたしの働いていたコンビニは、オフィス街にあり、そこそこの敷地面積がある、いわゆる「大型店舗」でした。そのため、ピーク時のレジの数も尋常じゃありません。全部で5レジ開けます。2レジ3レジと呼ばれる真ん中のレジは特に慣れた人がやらないと、列が集中するので大変なことになります。
わたしは新人の頃は「レンジ係」と呼ばれる、お弁当をあたためるだけの係をやっていました。1レジから5レジまでを走り回り、あたためますか? と聞いて「はい」と答えた瞬間お弁当をサッと取り、電子レンジに規定時間入れます。入れたら即別のレジの「あたためますか?」「はい」を聞きつけあたために入ります。ピーク時はレンジ4台フル稼働。むしろレンジ足りない。
ピーと鳴ったら商品をレンジから取り出し「○○弁当のお客様ー」と呼んでお渡しして次。ここで「お客様の顔を覚えて渡せ!」とか言われていたら即やめていたと思いますが、わたしのやり方で良かったらしいので、特に問題ありませんでした。
※わたしがレンジやるときは、レンジの場所を1レジから5レジまで割り振っていたので、このレンジのお弁当は1レジ(1レンジ)、という感じで「場所」で管理していたので、渡し間違えることもありませんでした。誰かが勝手に気を利かせてレンジに自分で入れると、イラッとして入れなおしたりしたけど。(後で理由を説明したら納得してくれた)
そのうち、新人さんが入ってきてわたしもレンジ係を卒業。レジ打ちが速かったわたしは3レジに配属されました。3レジは列も長いし、ホットスナック(チキンやポテトなどお店で調理したもの)に一番近いので、ホットスナックを注文される率が異常に高い。頼みやすいんだろうね。
その日もホットスナック、ポテトやチキンが飛ぶように売れていました。昼ピークの前にたくさん揚げておくんだけど、11時半頃から混み始めて、12時半にはホットスナックは売り切れ続出になる。特にお昼はポテトが人気で、その日も12時半の段階でポテトが完売しました。(また13時半頃から揚げ始めよう…今日は10個一気に揚げても売り切れそうだな。5個じゃなく10個揚げよう)そんなことをぼんやり考えながら高速レジ打ちをこなしていると、目の前の女性がカフェオレとパンをレジに投げるように置いて、怒鳴りました。
「なんでポテトが無いのよ! 大体、いつも無いのよ! ちゃんと用意しときなさいよ! 昨日も一昨日も買えなかったのよ! 並んで並んで、売り切れだっていうの? 揚げなさいよ!」
わたしはフリーズしました。当時は接客業歴5年くらいだったので、一瞬固まってしまったのです。いつもなら飛んできてくれる店長は1レジに入っており、あちらも長い列。そしてわたしの担当する3レジはレジから冷蔵庫のとこまでずーーーっと長蛇の列。今からポテトを揚げるなんて無理。そして今は自分でどうにか切り抜けなければならない。そう覚悟したわたしはこう言いました。
「ファミポテはみんな大好きなんです! だからすぐに売り切れてしまうんです!」
あ、コンビニばれちゃった。まあいいか。
女性はちょっとひるみましたが、言い返してきました。
「売れるってわかってるんなら作っとくのが店でしょ!? なんのための店なの? 売り切れ売り切れって…」
そろそろ、長蛇の列のお客様の視線が痛いです。激怒しそうな方も。あと一言で終わらせたい…
わたしは自分にできる最大限の権限を利用して、早口大声でこう言いました。
「わかりました、お客様のために明日からいつもより10個、必ず多く揚げておきます。でもお客様の買いに来るタイミングに売り切れてしまっているかもしれません。でも必ず10個多く揚げて用意しておきます!」
女性はこちらをじっと見て、言いました。
「ファミチキ!」
バルス! レベルで圧迫感のある注文でした。今でもファミチキ見るたびにあの声が耳の中でリフレインする。ファミチキ…。
この人食べ物のストライクゾーン広いよなぁと思いました。わたしならポテトが食べたいときにチキン買う気にはなんない。むしろ近くにモスがあるからそっちでポテト買うよ。チキンに切り替えて購入するなんてレベルの高いこと出来ない…。
…とぼんやり考えていると、レンジ係をしていた女性バイトが「揚げたてでーす!」とひょうきんな顔であらわれてわたしの手元にファミチキを置いて行った。レンジ係は手が空いたときにはホットスナックの袋詰めも手伝う。うん、いいタイミングだ。
一緒に入れろと言われたのでカフェオレとパンとファミチキを一つの袋にまとめて女性に渡した。
その後、女性は二度と来なかった。
わたしは「ポテトを10個多く揚げる活動」を3日ほどでやめ、何事もなかったかのようにまたおなじ毎日を繰り返した。
昼の死ぬほど忙しい時間帯にコンビニのレジで「ポテトくらい揚げときなさいよ!」と怒鳴られた話でした。
この話には続きはないんだけど、この頃のわたしは破天荒すぎて、いろんなエピソードがある。毎日がめちゃくちゃだった。今思い出しても頭がぐっちゃぐちゃになる。たくさんの人がわたしのからだの上を通り過ぎていったような気がする。
それじゃあ、また明日!
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