チルド氏が失恋した。
チルド氏の中で、きっとこの恋は季節を越えていたんだと思う。だから結びの言葉が「桜の花びら」なんだ。
季節感を考えたら、初雪のようにスッと溶けるとか、いくらでも言いようはあるのに、チルド氏の文章は、とくにこの記事では稚拙であり、未推敲であまりに無防備だった。
しかし、チルド氏が文学と呼ばれる所以はそこにあるのかもしれない。
わたしなら、失恋さえも「料理して」皿に載せようとしてしまう。
そのままでいいのに。
締めの言葉に気の利いたのを持ってきちゃって。だからわたしの書くものは、人の心を打たない。
チルド氏を見習って、素直に表現してみようと思ったが、やめた。
気の利いたものを出そうとして何が悪い。
やり方なんて全員違う。一人が素晴らしい絵を描いたら、みんなでその絵を模写するような、学校みたいな文章なんてまっぴら。
好きにやる。