こんにちは、かんどーです。
古い読者の方は読んでくれていると思うけど、わたしは昔、オフィス街にある大型のコンビニでアルバイトをしていた。朝ピーク、昼ピークの時はレジから一番奥にあるペットボトルの冷蔵庫まで20人くらいの行列ができるくらいの超大型コンビニだ。
オフィス街のコンビニは、午前11時30分から13時30分まで、戦争と化す。弁当、おにぎり+何かというありきたりな昼食でさえ、並ばないと買えないのだ。
正直「この近辺の会社は昼休憩の時間1時間ずらせば良いんじゃないの? なんで社員を毎日15分もレジに並ばせるの?」とわたしは思ってた。
最近ではこんな記事がネット上で出回ってましたねw この記事のオチは痛快でした。
★★★
わたしが26歳くらいのころ。
当時わたしは歌をやっていた。クラブシンガーをやりながら、小さな事務所に所属してデビューを目指していた。当然ギャラなんてもらえないから、生活費はコンビニのバイトで賄っていた。そんな自分をカッコイイと思っていた。
実際にコンビニで働いてみると、仕事は(もしかしたら歌よりも)楽しかった。
わたしは高速レジ打ちもできるし、ファミチキなどのホットスナックを、ロスを少なくしつつ最大限売るための方法を考えることが楽しくて、正直コンビニバイトをしているときのわたしは輝いていたと思う。じかに商品が流通する最前線って楽しいんですよ。
……そんなふうに、意外にもコンビニバイトの時間(一日10時間くらい働いてた)を楽しんでいたら、友達いない病のわたしにも「飲みに行こう」の声がかかるようになりました。働き始めて一年以上たってからですが…(苦笑)
休憩室に張り紙がしてあって「〇月〇日、夜七時から銀座で親睦会!」みたいに書いてありました。名前のはんこが七つほど押してあり、幹事のところにはお局女性の名前が書いてありました。わたしはお局女性とあまり仲が良くなかったけれど、参加者がそれなりに多いので、なんとかなるかなーと思い、わたしも名前のはんこを押しました。参加者は八名ということになりました。職場の仲間と大勢で夜の銀座なんて、ちょっと楽しみでした。
当日、少し早めの六時半に銀座に行きました。
お局の四十代女性も早めに来ており、そこにいました。ふだんは会話のないわたしたちだけれど、この日は特別。「みんな何着てきますかね?」ふだんは制服なので、みんながおしゃれをしてくるのが楽しみだったのです。
七時になりました。
誰も来ません。
お局は「場所を間違えたかな……」とつぶやいて、小さなボタンのたくさんついた携帯電話を操作しました。その瞬間、お局の顔色がサッ……と青ざめるのを見ました。あんなに人の顔が青くなるのを見たのは初めてでした。
「みんな……来られないって」
お局がわたしに言いました。
「ええっ? 七人もいて、全員ですか? 誰か来られないんですか?」
わたしは無意識にお局を責めるような言い方になっていました。そもそもわたしはお局と仲が良いわけでもないのです。何が悲しくてこの人と二人で飲まなきゃならないのか……
後から聞いた話ですが、みんなで口裏を合わせて当日ドタキャンしたそうです……わたしにはその「みんな」からの連絡が回ってこなかったので、ドタキャンできませんでした。
待ち合わせ場所、お局様とわたしのふたりきりで、しかも場所は銀座で、とにかく「飲み会をした」という事実を作らなければならなくて、ものすごく困りました……
さて、お局とふたりきりで銀座。
「帰りますか……」
わたしがそう言うと、お局は泣きそうな顔になりました。
「今日お酒飲むって言ったのに……言ったのに……」
子供かよwww と思いましたが、どうにもお局を放っておけず、とりあえず二人で一杯飲んで解散しましょうと言いました。(とにかく帰ることが最優先となっていました)
しかし、銀座にどんなお店があるかなんて知りません……
そもそも、当時のわたし、飲み会に誘われたこともなかったので、お店なんて知りません……ネットも今ほど普及してません……
お局様に「あの、どこかお店知ってますか?」と尋ねてみるも、泣きそうな顔で首を横に振るばかり。(予定では8人くらい集まるはずだったのが全員ドタキャンして悲しかったんだろうな……しかし店も決めてなかったのかこの人……)
仕方なくわたしはテレビで一度名前を見たことがある居酒屋を選び、入りました。チェーン店なので、銀座にあるけど高くないことが保証されているお店でした。
彼女は席について一杯お酒を飲み下すと、少し落ち着いたようでした。店内をニコニコと見まわし、「居酒屋さんってこういうふうになってるんだあ…」と目を輝かせていました。
彼女もわたしと同じくらい友達がいなかったのでしょう。居酒屋がめずらしいのです。わたしも店内をキョロキョロしました。いろんな男女がいました。
ふしぎな、あたたかい時間が流れました。何も話していないのに、ざわざわと流れる人々の会話が耳に気持ちいい。どの人もその人その人の人生を背負ってここに来てる。偶然来た人もいれば、いつも来ている人もいる。
ふしぎな気持ちでした。
わたしとお局は、自分たちの話を少しずつしました。これが男女だったらこのままホテルに行ったくらい距離が縮まりました。(実は彼女は少しソッチのケがあったので、そっちの可能性もゼロではなかったんですけどw)
結局、その一軒だけで二時間くらいいました。
別れ際、わたしは彼女に言いました。
「今日、これはこれで楽しかったですね」
「うん」
「コンビニでみんなに会ったら、楽しかったのに残念だったねーって言いましょうね」
「うん」
「幹事おつかれさまでした」
「(´;ω;`)ウッ…」
……地雷踏みました。
「ワタシが……ワタシが幹事じゃなければみんな来たのかなあ……ワタシがいけなかったのかなあ……」
お局号泣。
この日の地雷は「幹事」だったか、、、
銀座の地下鉄階段を下りる手前で、彼女は泣きだしてしまいました……。
しくじった……。
結局もう一軒、お茶飲みに行って彼女を落ち着かせてから帰りました……
わたしのHPもMPもカラになってました……
しかも当時住んでたのは呪われた部屋……
帰宅して眠ってもHPは20くらいしか回復せず、MPに至ってはあの部屋では回復できない仕様になっていました……
このほかにも、このコンビニで飲み会をしたらヤバいことになったことがいくつもありました。このコンビニも呪われていたのかもしれません。
すべては過去の話です。
まとめると、コンビニバイトには面白い人がたくさんいるので、一生に一度は働いてみた方が良いよ! というお話でした。
それじゃあ、また明日!
★今日の過去記事★
このコンビニでクレーム対応の基礎を学びました
このコンビニで知り合った一番強烈なおじいさん
この男性ともこのコンビニで知り合ったんだよなあ…