接客業は卒業したよ! あけすけビッチかんどー日記!

接客業歴15年のかんどーが綴る、あけすけな日記。人生はチキンレースです。一歩引いた方が負け。たまに小説を書きます。お問い合わせはsaori0118ai2あっとまーくやふーめーるまで。

井上理津子著 「さいごの色街 飛田」 飛田新地の風俗ルポが読み応えありすぎでした

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今週のお題「最近おもしろかった本」


こんにちは。仕事は接客業、趣味はジョギングと読書です。
今週は週始めからのどがやられてしまい、声が出ません…。週末までにしっかり治します。接客業で声が出ないとアウトなので、どうしようもなかったら明日病院ですね;


さて、今週のお題「おもしろかった本」で、すでに4記事書きました。

 

keisolutions.hatenablog.com

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わりと小説が多いですね。その中で「最貧困女子」は唯一のルポ本でした。

ルポ本というと、旅ルポとか食ルポが多いと思いますが、わたしはどうしても「裏社会モノ」を好みます。なぜかわからないけど、裏社会に惹かれるんです、ええ。。。少し前に、横浜寿町のドヤ街を歩いてきました。いや、すごかった。


…こういう感覚「すごかった」をそれだけで終わらせず、ものっすごい掘り下げている本があります。場所は一点集中、なんと、飛田新地です!



さいごの色街 飛田

さいごの色街 飛田 (新潮文庫)

さいごの色街 飛田 (新潮文庫)

 

 


この本は発売されてわりとすぐ買ったのですが、そんなに軽く読める本でもなく、結局3ヶ月くらいかけてやっと読みきった一冊です。

女性ルポライターが風俗店やそれを取り巻く環境をルポするので、男性の欲求に対する見方がとても冷静です。そっちじゃなくて、働く女の子の事情や「市場としての飛田」やその歴史をひたすら書いています。


著者は12年かけて飛田に通い、行きつけの居酒屋も作り、人付き合いのできる「飛田に近しい人」も何人も作り、「飛田とは何なのか」を刻々と書いています。時にはひったくりにあったり、裏社会の方に堂々と「取材させてくれませんか」と切り込んでいったりします。どうしても採用事情を知りたいからと、「飛田で働きたい子がおるから、紹介させて?」とリア友を面接に連れて行くくだりはハラハラしました。



風俗で働くって、どんなイメージですか?

わたしは結構前向きで、もし自分が器量よしだったら、飛田まではいかないけれど(場所も遠いし)、それなりのサービスをするところで起業資金貯めたかもしれません。短期間できっちり稼げるのが風俗で働くメリットです。人生一度きりと考えると、こういう仕事でパッと稼いでガッと攻める。そういうやり方はとても理にかなっていると思えます。(性病のリスクが本当に怖いですが)

作中に登場する女性たちの中にも、目的があってお金を作りにきている女性は確かに登場します。でも「飛田しか居場所がない」という女性もまた、存在していました。

ここでしか生きられない。


社会のセーフティネットが自分を助けてくれないから、ここ(飛田)で親方やおばちゃんのお世話になっていたほうが安心だ、そんなことを言っている女性もいました。鈴木大介さんの「最貧困女子」でも「社会のセーフティネットからも見放された女性が性産業で働いている」という描写がありましたが、やっぱり性産業は、少なからず「底辺」の女性のセーフティネットとしての一面があるんだと思いました。



性病についての語られ方もすごかった。

「洗っとけば大丈夫」
「毎月検査いっとけば大丈夫」

全然大丈夫じゃない…と思いました。

【個人的所感】
一気読み度・・・★☆☆☆☆
エンタメ度・・・★★★☆☆
社会派度・・・★★★★★
女性向け度・・★★☆☆☆
泣ける度・・・★☆☆☆☆
笑える度・・・★☆☆☆☆
考えさせられる度・・★★★★☆



性産業について悲愴なイメージだけではないわたしですが、読んでいてやりきれない気持ちになることが多い本でした。

もう少し他の切り口からも、飛田を知りたいなと思いました。関連する本をまた読みたいと思います。

男性の方が書いた本もあるようなので、こちらも読もうと思います。


では、また♪