接客業は卒業したよ! あけすけビッチかんどー日記!

接客業歴15年のかんどーが綴る、あけすけな日記。人生はチキンレースです。一歩引いた方が負け。たまに小説を書きます。お問い合わせはsaori0118ai2あっとまーくやふーめーるまで。

アルコール依存症の生活がものすごくつらかった話~前編~

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こんにちは、貫洞です。
 

今日はちょっと重いお話です。心が弱っている方や、今現在アルコール依存症に悩んでいる方は読むのをお控えください。わたし自身、大丈夫だと思って書きましたが、最後まで書き終えた後でどっと当時の感情が押し寄せてきました。
 
 
※先に書いておくと、今現在は身体的な事情で、酒量は「ビールコップ一杯」が限度です。身体的に受け付けなくなったので、精神的にアルコールに依存することはまずなくなりました。変な話ですが、体を壊して心が自由になった、みたいな状態です。 


 
 
改行しますね。
 
 
 
 





かれこれ、12年くらい前の話です。
 
 
25歳くらいの頃。わたしはアルコール依存症でした。発症してから克服するまでの話を書きます。長いので2回に分けて書きます。
 
 
 


 
◼︎拒食症からアルコール依存症へ

当時の仕事はクラブシンガーでした。人前に出るのだから見た目は大事。また、クラブのオーナーは「太ったシンガーはクビにする」ということで有名だったので、わたしは太らないように必死でした。まあ、芸能関係はみんなそうだと思うんだけど。


最初は、軽い拒食症の症状でした。ダイエットで見た目を整えたい、ただそれだけだったんです。でも、わたしはストイック過ぎました。
 
行き過ぎたカロリー計算、やりすぎの運動、興味のほとんどがダイエットに行きました。ダイエット専門誌を何冊も買い、食事日記もつけていました。
 
そのうち、ストイックな生活が板についたのか、食べなくても大丈夫になっていきました。もちろん体重はどんどん落ちていきます。60キロから48キロまで落とせました。恐れていた食欲(リバウンド)も無い。わたしは自分の意志でダイエットに成功したのだと思い、そんな自分を誇りにさえ思っていました。
 
 
 
しかし、そんなに甘くはありませんでした。
 
 
 
行き過ぎたダイエットの果て、わたしは「食欲」を忘れるために「お酒」を飲むようになりました。


 
 
 
◼︎アルコール依存症、発症はとても小さな変化
 
最初はたいした量ではありませんでした。ビールを2缶とか、そんな感じでした。ビール2缶はアルコール依存症とは思えないですよね。そこが、落とし穴だったんです。
 
まず、飲まずに眠ることができなくなりました。眠る前のビール2缶が、何よりの楽しみになってしまったのです。他に楽しみを用意しなかったのがいけなかったのですが、当時はダイエット一辺倒の生活で、エアロビクスの時間、ボイトレの時間、アルバイトの時間と目まぐるしく動いているうちに、自分の生き方に息がつまるような気持ちになったんです。そんな生活で唯一お酒が、わたしの孤独を満たし、心を解放させてくれるものだったのです。

お酒は、全能感をくれました。高揚感、なんでもできるという思い込み、自分はすごいという思い込み、そしてのどにくる刺激。

当時のわたしは「朝は野菜スープ、昼はサンドイッチ、夜は野菜スープとご飯少し」みたいな生活でしたので、食事が楽しみでもなんでもなかったのです。寝る前のビールが何よりの楽しみ、そんな生活でした。おなかがふくれる感じも良かったのだと思います。

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■やがて強いお酒がほしくなりました

最初はビール2缶でした。これは本当です。この生活を1か月、2か月続けた頃でしょうか。ビールを飲み終えた後、なんとも言えない「物足りなさ」を感じはじめました。もっと酔わないと眠れない。そんな風に思いました。
 
それまでビールを買っていたスーパーで、焼酎も買うようになりました。200ml入りの小さなやつです。ダイエットをしていたので、甘いお酒はダメと決めていました。雑誌などで「焼酎は太らない」と書いてあったのを読み、焼酎に決めました。

それまではビール2本だったのを、最初の1本だけビールにし、次はウーロン茶と焼酎をハーフ&ハーフで割ったものを飲むようになりました。さっぱりしていておいしかったし、ビール2本の時より酔えました。


ここから、わたしの運命は急転直下しました。


焼酎は大きなパックで買うほど安いのです。毎日飲むのなら、200mlの小さなパックより、700ml入りの瓶を買って来たほうが、毎日買い物に行かなくていいし楽なのです。いわゆる普通の大きさのジンロとかですね。これが、徐々にペースアップ。2日で700mlの瓶を一本飲み切ってしまうようになりました。これではお金が足りないし、2日に一度重い瓶を買うのも面倒。
 
わたしは、とうとう禁断の、1.8リットルのペットボトルに入った焼酎を買ってくるようになりました。(4リットルのペットボトルは、重すぎて原付で運べなかったのです)
 
これは週に1〜2回程度の買い出しで済みましたが、買うお店をくるくる変えていました。おなじスーパーで買うと、アル中だと思われるから、恥ずかしかったのです。愛車の原付に1.8リットルの焼酎を乗せ、自宅までせっせと運びました。フックに引っ掛けた状態で、足の間に置いて運んでいた記憶があります。


1.8リットルの焼酎を買うようになってから、わたしの生活はお酒中心に回り始めました。「思いっきり飲みたい、早く飲みたい」そればかりを考えるようになりました。仕事が早く終わった日は19時頃から酔いつぶれるまで、4~5時間一人で飲んでいる。味を変えるために芋焼酎にも手を出しました。何の記録も残っていませんが、「ちくしょう、ちくしょう」と自分の学歴のなさを悔んだり、人と比べて自分が出来ないことが悔しくて泣いたり、クラブシンガーの仕事で歌う歌をただぼーっと聴いていたりしました。

また、クラブの仕事の日は夜遅くなるので「早くお酒飲みたいなあ…」と思うようになっていました。ステージ中は飲めないので、余計飲みたくなりました。そのころになると、毎日ジンロ一本分くらい(焼酎700mlくらい)は飲んでいました。





■おつまみがほしくなる→バカ食い
 
そりゃそうだ…と言われればそれまでなのですが、このくらい飲むようになると、おつまみも大事になってくるんです。お酒だけ飲むより、いかのくんせい一つ口に入れるだけで味と満足感が全然違うから。魚の缶詰なんかもいい。

やっぱり太りたくなかったわたしは「太らないおつまみ」などの本をかたっぱしから買ってきて、魚肉ソーセージやらするめやら茎わかめやら、そういうものをたくさん買いだめして、晩酌のときに広げるようになりました。外見を整えていても、中身はくたびれたオッサンみたいな生活してました。
 
 
この、酔った状態でのおつまみがどれほどキケンかは、お酒を飲む人ならわかると思います。どれだけ食べたか認識しづらく、また、酔いつぶれる直前にすごくお腹がすくのです。
 
この、酔いつぶれる直前にバカ食い(過食)するようになるのに、時間はかかりませんでした。わたしは、アルコールを飲んで過食するようになりました。
 
朝起きると、食べた記憶のないカップ麺の容器やスナック菓子の空き箱、袋などがゴミ箱にあるのです。毎朝、これを確認してはカロリー計算をし、その日食べていいカロリーから引いていました。
 
昼間は何も食べられない計算になりました。何も、食べなくなりました。完全に、生活がお酒の支配下に置かれました。
 
 
 
 
 
◼︎頼めなかったピザ
 
ある日、わたしは飲んでも飲んでも眠れずに、ベロンベロンの状態で朝を迎えてしまいました。10時になったとき、わたしはものすごくピザが食べたくなりました。10時なら、もう注文ができるピザ屋がありました。チラシに載っているピザを食い入るように見て、こっちがいいか、それともこっち…と考えているだけでよだれが出てきました。
 
ダイエットを始めてから、ピザなんて一度も食べていなかったからです。ピザは、2ちゃんねるで太っている人を表す隠語でもあり、怖くて食べられなかったのです。
 
厚切りベーコンの乗ってるこれ…それとも照り焼きチキンマヨネーズ…考えながら携帯でピザ屋の電話番号をダイヤルしているところで意識が途切れました。ジンロ2瓶分ほどのお酒が、急に回ってきたのでしょう。
 
 
目が覚めて、しまった!   ピザを食べてしまった!   と跳ね起きましたが、ピザは食べていませんでした。電話番号がきちんと押せておらず、頼めていなかったのです。わたしは安堵しました。
 
 
 
そろそろ、ダメかもしれない…

自分でもそう感じていました。なにかが終わる、そんな予感がありました。クラブシンガーの仕事も、キャバクラの客引きの仕事もなんとかやれている。太らずになんとかやれている。でも、実際の生活は、誰とも食事にも行かず、一人でお酒を飲むことだけが楽しみの、哀しいものでした。友達もおらず、声をかけてくる男の人は体が目当て。


破滅の予感を感じながら、わたしは粛々と「その日」が来るのを待っていました。



後編に続く(それじゃあ、また明日!)
 
 


12/20 追記   後編書きました!

 

keisolutions.hatenablog.com

 





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