接客業は卒業したよ! あけすけビッチかんどー日記!

接客業歴15年のかんどーが綴る、あけすけな日記。人生はチキンレースです。一歩引いた方が負け。たまに小説を書きます。お問い合わせはsaori0118ai2あっとまーくやふーめーるまで。

携帯ショップのクレームで「大臣と話をしてこい!」と言われた話

スポンサードリンク

 

 

よくあること、なんですが。わたしは携帯ショップで働いています。

 

ご案内をミスしてしまったり、説明が足りなかった場合に謝罪を求められた際は謝罪をして事態を収束させるのですが、その日は違いました。

 

最初から不機嫌なそのお客は、

「あなたさ、自社の料金プランやオプションについてどう考えてる?」

と質問してきました。

 

こういう場合、自信を持って「弊社のサービスはお客様に満足していただけると思います!」と言いたいところですが、これを言ってしまうと「ふざけるな!」と返ってくることがほとんどなので、まずはお客に話させます。

 

「販売担当として店頭に立っている私も、ご説明するのが難しいと感じることがあります」

のように、まずは料金プランが複雑だということを理解している姿勢を見せます。ここで予防線を張ります。するとそのお客は、

 

「それに対して疑問を持たないの? それとも、複雑な料金プランで利益を増やさないと自分たちのお給料が出ないから、あえてお客を騙しているの?」

 

二択の選択を迫って来ました。わたしは、腹をくくって不満をぜんぶ吐き出させる方向に舵を取りました。ここから会話が始まりました。

 

私「そう仰られるということは、長期利用いただいている顧客様ですよね」

お客「そうだよ。長く使っていても全然いいことないじゃん! 乗り換えを繰り返す人が得をして、長く使っている客が損をするシステムってどうなの!?」

私「(無言でうなずく)」

お客「あなたたちはそうやって、客を騙して得た利益で暮らしているんだろうけどね、こっちは頭に来てるんだよ。あなたは僕が何に腹を立てているか、わかってる?」

私「長期利用のお客様に対する還元より、乗り換えのお客様への優遇が目立つことや、料金プランの複雑化により、オプション料金などで損をするケースが見受けられる…ということですよね」

お客「そうだよ! それをさ、大臣に伝えてきて欲しいんだよね!」

私「大臣に、ですか」

お客「そうだよ! あなたの上司ということになるでしょ?」

私「そうですね、ただ毎日一緒に仕事をする上司…というわけではないので…お会いできる機会もそうそうありません」

 

 

※そのお客様はこんな感じで、大声を出さずに一人の店員と会話を続けるタイプの人でした。

 

f:id:keisolutions:20141024104326j:plain

 

 

ここからは、クレームが来たときに上司にどう報告しているのかを質問して来たり(面談なのか報告書なのか)、過去に働いていた店舗名をぜんぶ言えと言われたり、写真を撮られたり、もうめちゃくちゃです。個人経営の店として営業していたら「帰れ!」と言ったと思います。

 

ただし、写真を撮ろうとしたときは制しました。何が撮りたいのか? 個人としてのポートレートを撮りたいのならわたしは拒否する権利がある…と伝えたところ、名前を覚えておきたいからと仰るので、名札をはずしてテーブルに置きました。これを撮影すれば同じですよね? どうぞ、と言うと渋々名札の写真を撮っていかれました。

 

過去に働いていた店舗名については、ものすごく遠い場所を言いました。そこも働いていたことは嘘ではないので。「このへんの人じゃないんだ」と言われましたが無言で返しました。出張で行っていただけなので特にその場所を特定されても何も問題ないので。

 

そして、とうとうお客は決め台詞を要ってきました。

 

「あなたさあ、僕の話に共感してくれているみたいだけど、本気が見えない。本気なら大臣に話をしに行くよね? 長期利用客大事にしてくださいって。なぜ行かないの? 現状に満足しているからだよね? 家族養っていけるだけのお金を稼げているってことだよね?」

 

家族を養っている、は勝手に想像して言ったっぽいです。わたしは家族を養ってません。年齢的に子どもがいると勝手に想像して話を勧めてきたのも非常に嫌でした。あきらかにシングルマザー設定。どっちもハズレだし! わたしは夫ありの子どもなしだ!

 

 

さて、本題です。

 

大臣と話をしてこい! というこのお客様に対してわたしはどうこたえるべきだったのでしょうか?

 

 

一応、この案件はもう発生してから2年経過しています。

 

お店レベルでは、のらりくらりとかわして会話を終わらせたわたしの対応で良かったと言われました。むしろ、対応させてごめんと言われました。お客様の口調が荒くなかったので、そんなことを話しているとわからなかったとの事。インカムで共有しなかったわたしも悪いので、そこは全然何も思っていません。

 

そして、このお客様に対し、のらりくらりと対応し、結果としてお帰りいただけたことに対しても、自分で「精一杯の対応をした」と思っています。

 

ろくに話を聞かず「お客様センターに電話をおかけください」とつっぱねることもしなかったですし、店頭でどういう仕事を、どのような責任感を持ってしているかもしっかり話しました。

 

話の中でお客様は「大臣と話せ」と言った直後に「あなたみたいな下っ端が行っても話なんて聞いてくれないか、ハハッ」と笑ったり、ある程度「人を馬鹿にする準備」をしてきていたようでした。わたしはそのすきをついて、

「そうですよ! お客様のように知識ある方のお言葉の方が届くように思います」

と切り返し、ああ、そう…だね。と言わせて話を終わらせたのですが。

 

 

こういう案件、結構多いんですよ。ここまで徹底してストーリーを仕立ててくるお客様ばかりではなく、「長期利用者をもっと大事にしろよ!」と一言怒鳴っていくお客様、「プランがわかりにくいんだよ!」と怒りをむきだしにするお客様、「かけ放題なんて今さら遅いんだよ! 毎月電話必要で、2台契約して月7万払ってたんだぞ! それどうしてくれんだよ!」と5年以上前のことを怒ってくるお客様……。

 

正解のない答えを探して日々、店頭で奮闘しております。

 

ただ、キャリアの方から見て、2年前にご来店された「大臣と話をしてこい」のお客様対応は、どうあるべきだったのか、非常に興味があるので記事にしました。

 

届くかわかりませんが、どなたかのご返答があればうれしいです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。